1998年7月7日「七夕の悲劇」の払拭
悪いことが多かった今年のマリーンズ。多かったどころではない。怪我人が相次ぎ光明が見えない。明るい話題は大体謎の魚のことばかりだ。
大阪に住んでいる私にとってマリンになかなか行けないことがなんとも歯がゆい1年だった。だが、7月7日。「星に願い」続けていたファンの祈りが叶ったかのような試合が神戸であった。間違いなく今年の関西でのベストゲームだ。
今年の七夕。19年ぶりに神戸で試合が組まれた。
思えば19年前の1998年に行われた試合は「七夕の悲劇」と呼ばれた。あのグリーンスタジアム神戸のレフトスタンドは人がまばら。大阪の試合も応援に迫力はあったが大阪ドームのレフトスタンドの入りはスカスカと表現するのが妥当だった。
あれから19年。2013年ごろから関西のゲームではナイターでも早いうちから並ばないと京セラドーム大阪の下段に座れないといった現象が起き始めた。遠征組だけではなく関西でマリーンズファンが増えて来ているようで、レフトスタンドでも関西弁が飛び交う。今年はチームの成績から例年のような混み具合ではなかったが、それでも「マリーンズファンで黒く埋まるスタンド」は健在だった。他のチームのファンから「黒いのを1人見たら30人いると思え」と言われるほどだ。例えはあれだけど。
七夕の悲劇を簡単に説明すると、16連敗中のマリーンズが、3対1で9回2アウトまでこぎつけ、あと一人、というところで黒木知宏がプリアムからまさかの同点2ランアーチを被弾。その後12回裏に近藤芳久が「記憶より記録に残る男」広永益隆に代打サヨナラ満塁弾を浴びプロ野球記録の17連敗目を喫してしまうという試合だった。
あの時も最下位だったが、今年の負けっぷりも凄まじかった。10を超える連敗はなかったが、4から5程度の連敗が何度も繰り返しやってくる。みんな一斉に打てなくなるしみんな一斉に打たれる。なんでもいいのでファンとしては「光明」が欲しい。何かいいことはないのか。
ふと私が思ったのが「七夕の悲劇を払拭したい」ということだった。マリーンズの敗戦の象徴である神戸の七夕。ここを勝てたら何か変わるんじゃないか。この試合、何が何でも勝てるように応援しないと! 私は午前中にシート貼りに行き、外野の最前列の席を確保した。