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赤ん坊を連れ、どうやってキエフから脱出するのか?
「一番の悩みは小さな赤ん坊を連れ『どうやってキエフを脱出するか?』でした。自家用車での移動は、いつロシア兵に囲まれ、人質にとられるか分からない。最悪、赤ん坊が殺害される恐れもありました。そもそもベビーベッドが乗るような大型の車は、2日程前から軍への提供が求められており、現実的には諦めるしかありませんでした。
駅からは臨時列車が定期的にでていますが、駅には人が溢れる程押し寄せている。赤ん坊とはいえ、外国人が無事に乗れる保証もありませんでした。また、駅近郊では爆撃があり、ロシア兵が潜んでいるという情報もありました。SNSで協力者を求め、何とか無事にキエフを離れることができました」(前出・キエフ在住邦人)
人命を第一に考え、移動手段の詳細については控えるが、6日の夜には赤ん坊とスタッフは無事、安全な街へと到着したという。1泊した後、車に乗り換え、国境で待つ両親のもとへと到着する予定だ。
日本政府は現在、ウクライナからの難民受け入れ要請に対し積極的に応じる姿勢を見せている。だが、戦地となったウクライナ国内では、様々な事情から国境まで自力で移動ができない邦人がいるのも現実だ。
7日にはロシアとの間で3度目の停戦協議が行われる予定だという。一刻も早い戦闘の終結が望まれる。