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危ない「ふるさと納税」 加熱する返礼品競争の実態

2018/06/03
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返礼割合の低い熊本市が上位のワケ

 6位の熊本市は、返礼割合が極めて低い。熊本市では、2015年10月より、1万円以上の寄附に対して、地元のサッカーチームであるロアッソ熊本の応援グッズや伝統工芸品を提供しているだけである。熊本市へ寄附が急増したのは、2016年4月14日の熊本地震に対して返礼品目的ではない寄附が集まったためである。この表からは、返礼割合の高い自治体に多くの寄附が集まっていること、返礼割合が低くても災害支援を目的とした寄附も集まっていることがわかる。

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 総務省のふるさと納税ポータルサイトでは、ふるさと納税の意義は、次の3つだとされている。第1に、納税者が寄附先を選択できる制度であり、選択することで使われ方を考えるきっかけになる制度であること、第2に、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度であること、第3に、自治体が国民に取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、自治体間の競争が進むことである。

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