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「死ぬ気もねぇのに死ぬとか言うなよ」と煽り…

【ウッペツ川での自殺未遂】

 2019年6月22日の夕方、加害グループのA子、C男、別の学校の小学生ら計10人以上がウッペツ川の土手に集まっていた。事件後に母親が爽彩さん本人から聞いた話では、加害グループの生徒は爽彩さんに「今までのことをまだ知らない人に話すから。画像を全校生徒に流すから」と言った。それに対して爽彩さんは「死ぬから画像を消してください」とお願いした。すると、A子が「死ぬ気もねぇのに死ぬとか言うなよ」と煽った。爽彩さんは柵を乗り越えてウッペツ川へ飛び込んだ。A子は当時の文春オンラインの取材でこうした発言をしたことを認めている。

 第三者委員会は《上級生C男が本人をからかい、本人が拒否的な反応を示した後もからかうような行動(本人の秘密をその場で大声で言うかのような発言をしたことを含む)を続けたこと、パニックのような状態になった本人に対して上級生A子が突き放すような不適切な発言をしたことは、イジメにあたる》と認定した。

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飛び降り事件の現場となったウッペツ川

画像拡散は「いじめ」に該当するのか

 また、第三者委員会は「イジメ」と同様に考える事実として一歩踏み込んだ見解も示した。C男が爽彩さんに送らせた下半身の画像をA子、B男らのLINEグループに送信していた件について、現時点ではイジメとして正式に認定はしていないものの、以下のような認識を示した。

《C男がB男、A子、C男のLINEグループに爽彩さんの性的画像を送信したこと、B男がこの画像をF男とG男に見せたことは「イジメ」と同様に考える必要がある(本人に認識がある場合は、「イジメ」にあたる)。

※上記送信行為及び掲示行為は、本人が直接関与していない行為であるため、本人がこれらを認識していなければ、法の定義における主観的要件を満たさないこととなり、形式的には「いじめ」に該当しないものと考えざるを得ない。ただし、法の趣旨を踏まえて、「いじめ」と同様に考える必要がある》

爽彩さんが通ったY中学校

 本来、イジメの認定には本人がイジメられているという認知があったかどうかが必要だが、自分の知らないところでの画像拡散は把握できない。爽彩さんは既に亡くなっているので認知していたかどうかはわからず、法律的にはイジメに該当しない。しかし、この件は「イジメと同様に考える必要がある」と、これまでのいじめ防止対策推進法の定義の範囲を広げる判断を旭川市独自で行ったということである。

 第三者委員会によれば、今後、6項目以上にイジメの認定が増える可能性があるという。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。