拝啓 涌井秀章様
麗春の候、わくわくさん、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
愛の波動砲G.G.佐藤です。元気に過ごしていますか。今年の楽天は間違いなく強い――。そう確信して始まった2022年シーズンのプロ野球。ここまで楽天の連敗は1度も無し。開幕戦こそ落としたものの、そこから4連勝を2回するなど現在、堂々のパ・リーグ首位に君臨しています。
BIGBOSSに負けん気の炎を燃やしている人物
思い起こせば開幕前、野球のニュースはBIGBOSS一色でした。1993年の第二次長嶋茂雄政権発足時を思わせるフィーバーぶり。従来の監督のイメージと180度違う新庄剛志ビッグボスの誕生は、多くの人の注目を集める結果となりました。
プロ野球は興行でもありますから、注目を集めるのは重要な仕事のうちの一つだと思います。かく言う僕も、現役時代はどうやったら少しでもニュースで扱ってもらえるか、目立つことができるかを考えていました。そうやって「キモティー!」や「愛の波動砲」などのワードを出していったのは良い思い出です。
もちろんすべての選手がそういうことを意識している訳ではありません。ただ、目立ちたいタイプの選手っていうのは確実にいます。新庄剛志BIGBOSSは、間違いなく、そういうタイプというか、そういうタイプのリーダーと言っても良いでしょう。
連日、一挙手一投足が報道されるBIGBOSS。その様子を観て、密かに負けん気の炎を燃やしていた人物がいるとすれば、石井一久監督でしょう。あの引退試合でのセグウェイ、テレビ番組での数々のおもしろ発言、ノーヒットノーランがかかっているのに「疲れた」という理由で降板しようとした武勇伝などなど、元来、BIGBOSS的なキャラクターは石井一久監督が担うべきポジションだったとも言えます。
僕もそういうタイプなので、分かるんです。石井一久監督が燃えているって。
もちろん、楽天が優勝の最有力候補だと思う根拠はそれだけではありません。楽天の投手陣は12球団のなかでも最高レベルと言えるでしょう。キャンプから田中マー君は注目していますが、素晴らしい仕上がりでしたし、2年目のジンクスなんてどこ吹く風の早川投手も良い。それに加えて、則本、岸、瀧中と計算できるピッチャーが揃っています。そして、我らが涌井秀章! 昨シーズン後半の悔しい思いを胸に、完全復活となれば、文句なしです。
1週間で5試合しかやらない週もあるのに、計算できる先発が6人。それも、全員が表ローテと言っても過言ではないほど良い。これに対抗できるチームは今の所、ロッテとソフトバンクだと思いますが、打線を考えれば楽天に分があると感じてしまいます。