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「大阪杯」で奇跡は起きた

 しかし4月2日にセ・リーグ史上初となる開幕8戦8敗。いったい阪神とデイリースポーツはいつ爆発することができるのだろう? 明日の1面はどうするのだろう。そう考えながらデイリーの1面を見てみると……。

『ポタジェ大もうけ』(4月3日)

デイリースポーツ(4月3日)

 1面は競馬予想だった。この日おこなわれるG1レース「大阪杯」の予想記事。それにしてもポタジェは8番人気である。そんな人気薄の馬を1面に持ってくるなんてデイリーはやけっぱちになったのか?

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 でも待てよ……。

 これだけ開幕から鳴りを潜めてマグマを溜めているデイリースポーツである。この日のデイリーの「賭け」に新聞ウオッチャーとしてはのるべきではないか? ネタとしても残しておきたいし。

 そう考えた私は雨の中、久しぶりに馬券を買いに行った。ポタジェの単勝(1着になったら当たり)と複勝(3着以内に来たら当たり)を購入。最初は複勝を5000円だけ買うつもりだったが万が一に備えて単勝を1000円追加した。でもいくらなんでも穴馬すぎる。

筆者が購入した馬券 ©プチ鹿島

のるかそるか、“賭け”の結果は…

 ところがレースが始まると人気馬が失速するなかポタジェは先頭に立ち、見事に優勝したのだ。エ―――! 遂にデイリースポーツが大爆発した瞬間である。確定オッズは単勝58.7倍、複勝11.4倍。私の払い戻しはまさかの11万円越え。スポーツ紙を定点観測しているとたまに劇的なことを発見できる。なんだか“人間”を見続けているような感覚だ。

 あらためて凄いと思うのは、デイリーは賭けに勝ったことである。歴史的な阪神の連敗でファンの購読意欲が下がるであろう日に大穴予想を1面に抜てきして的中。この「采配」は今後も語り継がれるであろう。ポタジェは惜敗続きだったからここで一気に爆発したのかもしれないが、こうなると阪神も同じように思えてきた。日曜日も敗れて開幕9連敗となったが、私は今でも矢野監督の「賭け」にはワクワクしている。

 阪神はデイリースポーツに続くことができるか。これは両者の浮き沈みを紙面で追ってきた私の注目点というか予感でもあるのですが、果たして?