2月1日、“まさかのニュース”が…
私もハラハラしながらデイリースポーツを追いかけるようになった。理由もある。開幕前から「矢野監督問題」はかなりの読み比べ案件だったからだ。矢野燿大監督はプロ野球が始動する前日に退任の意向を発表したからである。まさかのニュースだった。
『衝撃表明キャンプイン前日に 矢野監督 今季限り退任』(2月1日)
異例中の異例。スポーツ紙やタブロイド紙は大騒ぎ。
『矢野監督 今季で退任 壮絶死生観』(東京スポーツ2月2日付)
『OB、メディアはもちろん古株ファンも退陣要求 阪神今すぐ矢野監督を辞めさせろ』(日刊ゲンダイ2月4日付)
シーズン前の退任表明は否定的な論調が多かった。「1年でいなくなる監督に選手はついていかない」「ただの自己満足、自己陶酔」「チームを私物化」など散々。
しかしこれだけ否定的な声が多いとむしろ「賭け」としては面白くなる。のるかそるか。私は出演したラジオのプロ野球開幕特番で阪神優勝を予想した。矢野監督の「賭け」にのったのだ。
矢野監督の退陣表明、背景にある“事情”
退任表明の背景はデイリーの吉田風氏のコラムが詳しかった。実は、金本阪神、矢野阪神を支えてきた谷本修球団副社長が4月1日付で異動し、電鉄本社へ戻るという人事があった。矢野監督は自分もあと1年と腹を決めたのだ。
吉田氏の取材によれば、
《物議を醸すことは承知のうえでそれでも、決意を皆に「黙ったまま」指揮をとることは、良心、そして信念に反する…そんな矢野の「あり方」を谷本はくみ取り、どんなことがあっても最後まで支え続けることを約束した。》(3月25日)
さらに、何をやっても騒がれる注目度の高い阪神の特殊な事情を書いた上で、
《矢野の「やり方が悪い」と語る方々は、もし、阪神が優勝したら「あんなこと言ってごめん」と謝ってくれるか。いいえ。手のひらを返して終わり。良い悪いは別にして。野村政権から虎を見てきたが、近年では日本シリーズへ進んだ岡田政権と和田政権に対しても「やり方」はいろいろ揶揄されていた。僕はいつも歴代虎将の忍耐に敬意を表する。》(3月26日)
これらを読んだので、私は矢野監督の「賭け」にさらに思い入れを抱いたのです。