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「普通の車両であれば、同じ車種は同じ方法で盗めてしまうんですが、社外セキュリティは同じ取り付け方をしませんので、同じ方法が通用しません。

 そもそも、付けた人間に『盗んでごらん』と言ってもまず無理です。サイレンがどこに隠されていて、本体がどこにあって、センサーがどこにあって、線をどこでつないでるっていうのがわかっていても、山奥で何時間も作業できるような状況でない限り盗めません」

 こうした解除の難しさから、窃盗犯にとっては社外セキュリティの存在そのものが大きな抑止力になっている。ダッシュボードなどに設置されたセキュリティのランプなどを見て、犯行を断念するわけである。

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ダッシュボード上に設置されたスキャナー。光を発してセキュリティの存在を示す

バッテリーを切られるとどうなる?

 もちろん、社外セキュリティにもいくつか種類があり、どの店でどの商品を取り付けても同じ効果が得られる、というわけではない。

 盗難防止効果に大きく影響するのは、車のバッテリーが切られてしまったときの動作である。製品によってはバッテリーからの電源供給が絶たれると、システムの動作が全面的に停止してしまうものもある。

「最近は狙われやすい車はほとんど対策しているので、盗む側は『セキュリティも電装品なんだからバッテリーを切ってやろう』っていう流れになっているんですね。

 バッテリーを外された場合の対策として、社外セキュリティには『バックアップサイレン』というオプションがあります。バッテリーとは別に予備の電池を備えて、切られた場合に警報を出せるようにしておくんですね」

 攪上氏のショップではこのバックアップサイレンを標準搭載し、実際にこれによって盗難を防げたケースもあったという。バッテリーを切られた瞬間に警報が鳴り、犯人が慌ててその場を逃れたのだ。