近年加熱する旧車ブームは市場にバブルを引き起こし、「50年前の車に数千万円」といった例も珍しくなくなった。
旧車を所有するハードルが高まるなかで、このたび、「旧車レンタカー」のサービスを打ち出す企業が現れた。「クルマのサブスク」で知られるKINTOである。「Vintage Club by KINTO」というプロジェクトのもと、トヨタ往年の名車をレストアして貸し出す。
旧車好きにとって福音となりそうなサービスだが、実際にどのような車が借りられるのだろう。そもそもなぜ、KINTOは旧車事業を開始するに至ったのか。KINTOの担当者に話を聞いた。(全3回の1回目/#2、#3を読む)
レンタカーで蘇る「時代の顔」
Vintage Club by KINTOのサービス開始段階では、レンタル可能な車両は4台。スペシャルティカーの先駆けとして不動の人気を誇る初代セリカのリフトバックモデル(2.0GT/1975年式)、元祖ハイソカーとしてバブルの象徴となった初代ソアラ(2.8GT-Limited/1982年式)と、時代を彩る車種がラインナップに加わる。
さらに、軽快な走りで車好きを魅了した初代レビン(1974年式)や、かつて国産車有数のハイパワーエンジンを搭載した70型スープラ(2.5GTツインターボ エアロトップ/1992年式)と、キャラクターも年代も異なる面々が用意される。
なお、ソアラ以外の車種はすべてマニュアルの設定だ。料金設定はセリカリフトバックの場合で24時間あたり3万5000円。
なるべく広い層に楽しんでほしいという思いから、仕入れや工程を工夫し、手の届く範囲に抑えたという。