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社外セキュリティの導入にかかる費用は…

 社外セキュリティの効果は、当然製品によって異なるし、さらに同じ製品でも「取り付け方」によっても違ってくる。高いセキュリティ性能を継続的に発揮するうえで、とくに重要なのが「誤作動を起こさないこと」だという。

「たとえば『付けて1週間で夜中に2回もサイレンが鳴った』っていうことがあると、セキュリティをセットするのをためらってしまいますよね。数十万円かけて取り付けたのに、結局セキュリティを解除せざるをえなくなれば、ただのキーホルダーと変わらなくなってしまいます」

 地震や台風の際など、誤ってサイレンを鳴らしてしまっている車を目にすることは珍しくない。誤作動の有無は、やはりまず製品の特性に左右される。

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「業界で信頼性が高いとされているアメリカのメーカーがあり、価格も高いのですが、その製品は震度4クラスの地震で警告音が鳴り、震度5クラスでサイレンが鳴ってしまいます。

 私も以前はそのメーカーのものを使っていましたが、東日本大震災のとき、それを取り付けていた3台すべてがサイレンを鳴らしてしまいました。一方で、日本のユピテルというメーカーのものを装着していた3台は誤作動を起こさなかったんですね。それ以来、ウチではユピテルしか扱っていません」 

 さらに同じ製品であっても、取り付け方や機器の設定により、反応する衝撃の種類やそれに対する感度を適切に調整する技術が必要になる。取り付けを依頼するショップ選びが重要になるわけだが、その際のポイントはあるのだろうか。

「これはとても難しいんですよ。大変かもしれないですけど、まずは一度足を運んで、どういう説明をしてもらえるかっていうのが大事ですね。『こういう理由でこの機能が必要です』というところをきちんと伝えてもらえることが重要です」

©iStock.com

 加えて、アフターフォローについても確認しておきたい。

「セキュリティは『静かだからオッケー』と思いがちなんですが、作動を定期的に確認していないと、いざというときに正常に機能しない、ということもあります。付けて満足してしまう方も多いのですが、その後の点検やメンテナンスも大切なんです」

 社外セキュリティの導入にかかる費用は、30万円~40万円。量販店などではより安い商品も扱われているが、誤作動を起こさず、あらゆるシチュエーションにおいて作動しうる製品はそれだけ費用もかさむ。

 なかなか手が出にくいが、適切に施工すれば大きな効果が得られる。予算上難しい場合には、キーをアルミホイルで包んだり、ハンドルロックを取り付けたり、あるいは駐車場にライトやカメラを設置したりと、複数の盗難対策を組み合わせ、窃盗犯に対する抑止力を少しでも高めることが必要だ。

 愛車が盗難に遭っても、車両保険に加入していれば、金銭的な補償は受けられるだろう。けれども車載品や車に対する思い入れなど、金銭で埋め合わせられないものもある。リスク対策にどれだけコストをかけるかは人それぞれだが、選択の際には正しい知識をもとに、得られる効果をしっかりと見極めておきたい。

取材協力:カーセキュリティプロショップA2M