岡山・浅口市の寺に保存されている「人魚のミイラ」を科学的に分析している倉敷市の大学が、中間報告をまとめた。
体毛の表面には人間と同じようにキューティクルが
頭部には歯、手には爪、下半身にはウロコ。
浅口市鴨方町の円珠院に伝わる「人魚のミイラ」。
この伝説の生き物を科学的に調べようというプロジェクトが、2022年2月から倉敷芸術大学で進められていて、このほど中間報告がまとまった。
それによると、ミイラから抜け落ちた体毛の表面には、人間やほかの哺乳類と同じようにキューティクルがあることがわかった。
また、魚類の特徴であるウロコが、下半身だけでなく腕や肩、首など上半身にも見られた。
X線CT撮影による調査では、首と背びれに金属製の針が刺さっていることが確認された。
倉敷芸術科学大学生命科学部・加藤敬史教授:
X線CTを撮ることで、それまでわからなかった、外から見えなかったウロコの存在や、中に針のある構造、あごの歯の骨格などがわかってきた
2022年9月にも最終報告をまとめる予定
研究チームでは今後ミイラの組織片をDNA解析するほか、民俗学の専門家も交えて調査を続け、2022年9月にも最終報告をまとめる予定。
倉敷芸術科学大学生命科学部・加藤敬史教授:
(研究目的は)いわゆる人魚のミイラの正体を暴くとかそういうことだけではなくて、(今後の保存に)我々の研究が役に立ち、末永く地元の人に大事にしてもらえれば
「人魚伝説」の謎の解明が待たれる中、注目のミイラは、2022年7月から倉敷市の市立自然史博物館で一般公開されることになっている。
(岡山放送)