2021年(1月~12月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。ビジネス部門の第4位は、こちら!(初公開日 2021年12月6日)。
* * *
日本一の観光都市と言えば、もちろん京都である。平安の都から数えて1200年を超える悠久の歴史が、京都を日本一の観光都市たらしめている。
一時期は外国人観光客ばかりで楽しめないなどという声もあったようだが、日本に遊びにやってきた外国人が決まって京都に立ち寄るというのだから、それは世界的な観光都市である証であって誇るべきことでもあろう。コロナがいったん落ち着きを見せている2021年の秋、京都は多くの日本人観光客で溢れていた。
そんな京都の町にやってきていざ観光、という人たちの玄関口はどこであるか。答えはひとつで、JR京都駅である。
発着する特急列車の種類が日本一の駅「京都」
天下の新幹線が停まる大ターミナルであり、関西を走るJR線の看板列車・新快速ももちろん停まる。さらに嵐山観光ならば嵯峨野線、伏見稲荷や奈良に行くなら奈良線に乗り換えればいい。もっというと、北陸方面の特急「サンダーバード」も出ているし、天橋立の北近畿にも特急「はしだて」。なんでも、京都駅は発着する特急列車の種類でいうと日本一なのだという。
そして京都駅にはJRだけではない。JR奈良線とはライバルということになるのだろうが、奈良に向かって近鉄京都線が走っている。近鉄特急に乗れば奈良はもちろん伊勢方面に向かうこともできる。
このように、京都駅はスーパー観光都市・京都の玄関口らしい堂々たるターミナルなのである。京都には空港がないから、京都観光にやってくる人のほとんどが京都駅を玄関口としてあちこちへと旅を続けていく。そんな京都駅を、改めて歩いてみることにしよう。
らしさを「まったく裏切られるターミナル」
ご存知のとおり、京都駅は古都・京都らしさを期待していたらまったく裏切られるターミナルである。
在来線が地上にホームをズラリと並べて広大な面積を占め、新幹線は在来線の南側を高架で貫き、在来線と新幹線の間の狭いところから近鉄も高架のホームを持つ。さらに地下にも京都市営地下鉄烏丸線が通っているので、地下街と一体となったエリアも京都駅の一部ということになろう。
JRの在来線を基準に歩いて行こう。ホームから階段を登ると乗り換え用の橋上通路があり、正面の西口改札を出ると駅の南北をつなぐ自由通路だ。改札を出て左に行って階段を降りると左が新幹線、右が近鉄の改札口になっている。