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「朝6時に着いても入店できない」「赤ちゃんの人形で人数を稼ぐ目撃情報も…」 ディズニーグッズの過激な“転売”にファンがあげた“悲鳴”

2022/05/11
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「転売をする人は海外にも手を広げて売るでしょう」

 しかし、「赤ちゃんの人形を使う手口は、今に始まったことではありません」と吉田さんは言う。「東京ディズニーランドでは以前、開園○○周年記念としてピンバッジや記念品などを入園者に配布していたことがありましたが、10年以上前から既にベビーカーやおんぶ紐に赤ちゃんの人形を入れて人数を稼いでいる人の目撃情報があり、その当時からファンの間では物議を醸していました」(吉田さん)

 転売に対し、オリエンタルランドも対策を講じている。2022年3月24日にフリマアプリ「メルカリ」と締結した「安心・安全な取引環境の構築に向けた覚書」だ。これにより、季節限定商品の発売情報などが共有され、メルカリは対象商品を購入する利用者に向けて注意喚起するほか、利用規約に違反した出品の削除を行う。

 しかし、4月25日現在もメルカリでは新商品を含むぬいぐるみバッジなどが出品されている。価格は、キャラクター「ステラ・ルー」のぬいぐるみバッジ(定価2200円)が、昨年9月に発売されたぬいぐるみバッジ(定価2300円)と4体セットで約2万円と高価格。覚書がどこまで転売の抑止につながるかは不透明だ。

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計9千円程度の「ぬいぐるみバッジ」が、約2万4千円で取引されている (筆者撮影)

「メルカリとの連携は大きな一歩ですが、転売をする人は海外にも手を広げて売るでしょう。人気が出そうな商品は受注生産にするか、クレジットカードと紐づけして本人確認をしっかりと行うなど対策してほしいと願っています。最近は特にアトラクションやパレードよりも、グッズへのファンの熱が加速していて、東京ディズニーリゾートの本当の良さが伝わりにくいのではないでしょうか」(吉田さん)

 オリエンタルランドに転売問題について質問したところ、商品の買い占めや転売について「課題と捉えて」いるとして、下記の回答があった。

「商品買い占め対策として、パークチケット確認による店舗入店回数の制限や購入券配布による会計回数の制限、一度の会計あたりの購入個数の制限に加え、転売対策として、3月24日以降メルカリ社と連携し、両社で注意喚起やフリマアプリ『メルカリ』上で手元にない商品や東京ディズニーリゾート公式画像を使用する等のメルカリ利用規約に違反する不適切な出品に対する出品削除に取り組んでおります」

 また、4月7日の新グッズ発売日の対応については、「1人でも多くのゲストに東京ディズニーリゾート商品をお届けするため、販売店舗においては、スタンバイパスの発行、パークチケット確認による店舗入店回数の制限や会計回数の制限、一度の会計あたりの購入個数の制限を行いました。また、4月7日の発売日に限らず、パーク内の安全安心のため、他のゲスト等にご迷惑となる恐れがある行為については禁止しており、当該行為を発見した場合はキャストからお声がけしております」とした。

 ただ、3月24日の覚書締結以降に行った、注意喚起の回数やメルカリ上で行った出品削除件数については「お答えしておりません」と回答した。

 東京ディズニーリゾートを訪れるのは、関東圏に住む客ばかりではない。地域別来場者比率では、コロナ禍前で約40%、後で約15%が海外を含む関東圏外から訪れている。遠方のファンは、せっかく訪れた“夢の国”で、欲しかった土産品も購入できずに帰るのだろうか。ファンに公平にいきわたる販売方法を期待したい。

「朝6時に着いても入店できない」「赤ちゃんの人形で人数を稼ぐ目撃情報も…」 ディズニーグッズの過激な“転売”にファンがあげた“悲鳴”

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