「ヤフオクが登場したころから、転売目的の購入に見えるゲストが増えたように感じます。ルールを守るファンが商品を買えないのはおかしいのではないでしょうか」
そう話すのは、1983年の東京ディズニーランド開園以来、パークに通い続ける吉田よしかさん。ディズニーグッズの転売は度々話題となるが、4月7日に販売された東京ディズニーシーの新商品も注目された。どうすればディズニーグッズの転売を防げるのか、取材した。
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朝の6時に到着しても入店できない
東京ディズニーシーの人気キャラクター「ダッフィー」を中心とした季節限定商品の販売日。吉田さんは14時頃に入園した。すると、入り口に近いダッフィーグッズの専門店「ガッレリーア・ディズニー」前で、転売屋らしき外国人に気が付いたという。
「大きな買い物袋を10個以上地面に置いていました。その異様な量に、転売目的の購入だと思ったんです。一方、店の前では『なぜこんなに早くスタンバイパスがなくなるんですか?』とキャストに質問するゲストの姿も見かけました。穏やかなパークの雰囲気を楽しみに来たのに、殺伐とした光景を見たくないので、早々にその場を離れました。
今回の新グッズは、朝の6時に到着した友人でも、スタンバイパスが取れずにショップに入店できなかったため、仕方なく東京ディズニーリゾートのアプリで購入をしたそうです。当日は9時開園予定でしたが、8時15分に繰り上げオープンされ、友人が入園できたのは、オープンから22分後の8時37分。それでもショップに入るために必要なスタンバイパスが入手できませんでした。深夜から並ぶのは禁止されているはずなのに、入店できた人は一体いつから並んでいたのでしょうか――」(吉田さん)
ディズニーグッズの人気ぶりは、過去にも写真家・蜷川実花さんとコラボレーションした商品や記念ピンバッジなどが話題となっている。コロナ禍前は商品購入のため、入園開始とともに店へ走る客の姿が見られたが、2021年4月からは一部ショップのスタンバイパスが新商品の販売時に導入されたため解消した。
スタンバイパスとは、指定された時間に対象施設の列に並べる権利。入園後にチケットと連動した公式のスマホアプリから取得するが、入店できる人数に限りがある。そのため、開園前にできる入場希望者の列は変わらないままだ。