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正反対の性格だったふたりの接点とは…?

 数々の犯行を繰り返し、地元では有名なトラブルメーカーだったという出口容疑者。そんな出口容疑者といつも行動を共にしていたのが出口容疑者と同じ敷地の一軒家に住む、死亡した坂本さんだった。だが、近隣住民の坂本さんへの印象は、出口容疑者とは正反対だったようだ。前述の近隣住民が話す。

「坂本さんが住んでいた家は、元々は空き家だったはずです。それが2年前ぐらいから、気づいたら坂本さんが住み始めていたんです。たまに坂本さんがラフな私服姿で日中、庭をうろつく姿を見ましたが、いつも気落ちしたような顔をしていて声もかけづらかった。挨拶をしたこともありますが返答はなく、目すら合いませんでした。いつも生活音が全くせず、通りがかっても聞こえるのは換気扇の音ぐらい。存在感が全くありませんでした。

 他に見かけたことがあるのは、白の軽自動車を運転し出口容疑者を朝にどこかへ送り届ける姿だけ。夏に窓が開いた車の傍を通ると、もわっとした生ごみの臭いがして、見るとコンビニの弁当のゴミが車の中に散乱していました。2人が何の仕事をしているのか、どういう関係なのかもわからず、少し不気味に思っていました」

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亡くなった坂本博さん ©文藝春秋

 性格は正反対という中年男性2人が始めた、奇妙な共同生活――。取材班は坂本さんの親戚男性に接触することができた。男性は2人の関係性をこう表現した。

「坂本さんは出口容疑者に飼い殺しにされていたんです」

 2人を結び付けた接点と、暴力にまみれた共同生活の実態とは一体どんなものだったのだろうか?(#2に続く)

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