暴力まみれの共同生活の末に起きた「悲劇」
親戚男性は、仕事をしていない日に別の仕事をすることを勧めたが、坂本さんは「出口の足に使われているから、バイトもできない」と断ったという。
「殴られたことも1度や2度ではなかったようです。車のフロントガラスにひびが入っていたこともあり理由を聞くと、『出口が殴った』と言いました。坂本さんは出口に借金があるわけでもないし、殴られることもあるのになぜ一緒にいるのか、と思いますよね? それは坂本さんが『強く言われたら逆らえないタイプ』だからだと思います。坂本さんは『仕事を一緒に始めるまで、出口の酒癖の悪さも元ヤクザだったことも知らなかった。今は分かったけど、遅かった』と悔いていましたが、結局出口のもとを離れることができませんでした。
昨年7月に車の修理代が滞ったので車を引き揚げた時、坂本さんを連れて出口が会社に怒鳴り込んできた時もそうでした。出口は『俺が保証人になるから車を寄越せ』と酔っ払った状態で、私の肩をどついてきました。私が警察を呼んでなんとか場は収まりましたが、その間も坂本さんは出口の横で、申し訳なさそうに無言で下を向き立っているだけでした」(同前)
その後も何度も出口容疑者のもとを離れさせようと試みたが、必死の説得も虚しく4月29日、坂本さんは帰らぬ人となってしまう。親戚男性は悔しそうに振り返る。
「遺体を見ましたが、顔は2倍に腫れていました。化粧で隠していましたが、それでも紫のアザが顔中に点々としていて、頭も陥没していて見るに堪えませんでした。逆らうことができない気の弱い人間を何時間もかけて殴り続け死に至らしめるなんて、残虐極まりません」
悲しい“服従関係”が招いた凶行。山口県警は、出口容疑者の認否を明らかにしていない。
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