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東宝、松竹が5億円提訴した「ファスト映画」 ユーチューバーが得た広告収入は約700万円

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3人がYouTube側から得た広告収入は?

 映画会社側によると、3人が公開したファスト映画は「シン・ゴジラ」など54作品。265万回再生された動画もあり、被害額は20億円に及ぶ。

「ただ、3人がYouTube側から得た広告収入は1年間で計約700万円。被害額は映画会社が正式に動画を配信していた場合に得られた仮定の収入をベースに計算したため、実際の3人の広告収入よりも大幅に上積みされた形です」(同前)

県警が押収したパソコンなどの証拠品 ©共同通信社

 だが、問題は更に深刻だという。コンテンツ海外流通促進機構によると、昨年6月時点で、YouTubeなどに公開されたファスト映画は2100本以上。5億回近く再生されており、被害総額は実に約1000億円。昨年の映画の興行収入(約1600億円)に迫る勢いだ。

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「ポケットシアターは、たまたま宮城県警が見つけて摘発したチャンネルですが、映像に字幕と音声で粗筋を付けただけ。むしろ摘発を逃れた別のチャンネルの方が人気はありました。とはいえ、海外に拠点を置くファスト映画配信者はサーバーを転々としたりして、摘発も提訴も難しいのが現実です」(司法関係者)

 ファスト映画配信者は逃げ足も速い……。

東宝、松竹が5億円提訴した「ファスト映画」 ユーチューバーが得た広告収入は約700万円

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