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今年のホークスはひと味違う…1番三森大貴、2番牧原大成は何がすごいのか

文春野球コラム ペナントレース2022

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常に負けん気の強さを感じるジョーカー

 続いて2人目は、ジョーカーこと、牧原大成選手である。開幕直後こそスタメンではなく、切り札としてベンチからスタートすることが多かったが、今となってはスタメンに必ず必要な選手である。

 そんな牧原さんの一番の特徴は、「気持ちの強さ」である。プライベートで少し親交があり、一緒にお酒を飲ませていただくことがあるのですが、野球の話になると、常に負けん気の強さを感じる。それがプレーにもあらわれているのが、得点圏打率の高さである。得点圏打率はここまで.325(6月5日現在)と非常に勝負強さを発揮しており、決勝打や、試合の流れを持ってくる一打を放つケースが非常に多い。また体格はあまり大きい方ではないが、持ち前のパンチ力でゆうゆうとスタンドへと打球を飛ばす。

 もう一つ数字に表れているものがある。それが他球団のエースピッチャーに対する勝負強さである。今シーズン、オリックスのエース山本由伸投手に対し.714、ロッテのエース佐々木朗希投手には.500と他球団のエースにめっぽう強い。このような特徴を持った選手は珍しく、チームにとって欠かせない存在であり、本当に心強い。

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 そして、なんといっても私が一番印象に残っているのが、5月29日(日)の対広島戦でのヒーローインタビューだ。同じくヒーローとして呼ばれていた周東選手が横にいる状態で、インタビュアーから周東選手の活躍について聞かれると、「こちらからしたら打つなよと思うけど、チームとしてはありがたいことなので、切磋琢磨していきたい」とコメント。さらに、今宮選手の復帰について聞かれると、「今宮さんが戻ってきても出るとこないよっていう気持ちで頑張っていきたい」という言葉を残しました。普段、プロ野球選手の口からあまり聞くことができない本音。僕はこの言葉に牧原さんの本音と野球人としての負けん気の強さを感じて、さらに心から応援したいと思いました。普通、プロ野球選手だと、「チームにとって良いこと」という言葉だけで終わらせそうだが、牧原さんのその言葉に、「絶対にレギュラーとして出続けてやる」「自分がチームを引っ張るんだ」という強い気持ちが見え、本当に心打たれました。そんな強い気持ちが、今の牧原さんの活躍に繋がっているのだと思う。

 現在は、「1番三森・2番牧原大」という打順の並びが多くなっている。

 この1、2番が固まれば常勝ホークスになること間違いなしであり、この2人が積極性と強い気持ちでホークスをリーグ優勝へと導くことは間違いないと私は思います。

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