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女性記者が“告発”できないのはなぜ? 細田衆院議長「セクハラ疑惑」報道から見えてきた、マスコミ業界の“体質”

2022/05/31
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「うちに来て」細田衆院議長の嘘を暴く「セクハラ記録」

・女性記者たちの告発「二人きりで会いたい」「愛してる」
・党女性職員が周囲に嘆いた「お尻を触られた」
・最も狙われた女性記者が漏らした「文春はほぼ正しい」
・カードゲーム仲間人妻の告白「抱きしめたいと言われ…」

 どれを読んでもギョッとする。細田氏はこの報道に対し、改めて抗議する文書を出し、「通常国会閉会後、訴訟も視野に入れて検討したい」などと真っ向から反論した。

 ここまでが現時点の流れである。

「最も狙われている」女性記者の回答

 さて、細田氏とは別に、私にはどうしても気になる点があったのです。それは取材する記者の側のことだ。

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 記事の後半に「H記者」が登場している。多数の記者から、細田氏に「最も狙われている」と言われていた女性記者である。

 以前からH記者は国会議員のセクハラ発言に強い問題意識を持ち「女性記者は多かれ少なかれ経験している。被害が出た時に担当を外せば解決する問題ではない」と話していたという。前週の文春記事についても「文春はしっかり取材している。記事の内容はほぼ正しい」などと周囲に語っていた。

週刊文春5月26日発売号の誌面

 そんななか文春がH記者に事実確認のために電話をした。ここでH記者から出た言葉は、

「それについては即答できる状況にないんです」「考える時間も必要なので、またご連絡させて下さい」

 というもの。

 翌日、H記者から文春に電話があった。その内容は「やはり今、お答えできることはありません……」という“回答”だった。