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ふざけてビンタしてくる子どもに……
「ふざけて僕をビンタするアユにビンタし返して叱った後、反省する様子を描いた第8話は、閲覧数がすごかったですね。『普通だったら逃げて描かないところを、あえて描いてる』という声ももらって。
別に狙って描いたわけじゃないんです。エッセイの方法論をほとんど持っていないから、自分の描き方で描いていただけなんですけどね」
下ネタを筆頭にアンモラルなギャグを得意としてきた渡辺さんだが、本作によってファンが二極化したと感じている。
「Twitterで新しくフォローしてくれるのって『父娘ぐらし』を読んでくれた方々ばかりで。いままでの僕の漫画を読んでないから、昔のも読んでと言っても体が受けつけないだろうなぁと思いますね。
以前からのファンには『いつになったらバカなこと描くんだ』と言われていて、新しいファンには『もっと父娘の話を』と希望されて、どうしようかなと(笑)」
そうした新たなファン層の獲得をはじめ、漫画家として次のフェーズに進み出している。
「60歳で、こういう波がくると思ってもいなかったですね。もう、いつ死んでもおかしくない年齢なのでね(笑)。作家としても完全に終活に入る時期に、新しいジャンルが開発できるなんて幸せなことですよね。まだまだ、やっていけるなという感じはしますね」