2017年、日本の各地方ではどんなニュースが報じられたのか。文春オンラインは、地域に密着する報道機関である地元紙にアンケート調査を実施しました。
それぞれの都道府県で大きく報じられたニュース第1位から3位まで、そして2017年もっとも“○○○”(笑った、泣いた、驚いた……など)ニュース、いまから注目している2018年のニュースをご紹介いただきました。
日本海新聞が選んだ、鳥取県のニュースは……。
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2017年重大ニュース 第1位
「日馬富士暴行事件」(11月15日※一連の暴行事件初報)
鳥取巡業で貴ノ岩が日馬富士に殴打され、九州場所を全休した。引退に追い込まれた日馬富士は傷害容疑で書類送検された。事件の背景には貴乃花親方と日本相撲協会や白鵬との対立がある。モンゴル人力士の同胞の絆も浮かび上がった。鳥取城北高出身の貴ノ岩は第二の故郷で被害に遭い、心のダメージも大きく再起できるか懸念されている。
http://www.nnn.co.jp/news/171116/20171116001.html
(URLは11月16日分、知事のコメントのもの)
2017年重大ニュース 第2位
「鳥取砂丘でポケモンGO」(11月25日※イベント開幕の記事)
下火になったとはいえ、ポケモンGOの人気はすごかった。鳥取砂丘に3日間で8万9000人が集まり、レアポケモン探しに夢中になった。砂丘を開放して「ポケモンの聖地」にと目論む鳥取県の試算によると経済効果は18億円。地域経済が潤ったのはいいが、周辺は大渋滞や違法駐車で混乱し、県にクレームが殺到した。功罪相半ばして課題を残した。
http://www.nnn.co.jp/news/171125/20171125001.html
2017年重大ニュース 第3位
「“まんが王国とっとり”に悲報」(2月14日※谷口ジロー死亡記事)
「孤独のグルメ」などで知られる鳥取市出身の漫画家、谷口ジローさんが死去。闘病中に描いた未完の遺稿「光年の森」と「いざなうもの」が見つかり、小学館から刊行された。鳥取県ゆかりの漫画家では、2年前に水木しげるさん(境港市出身)が亡くなっている。また、年末になって「名探偵コナン」の青山剛昌さん(琴浦町出身)が病気療養で長期休載を決断した。「まんが王国」を標榜する鳥取県にとって残念な記事が続いている。
http://www.nnn.co.jp/odekake/detail.html?eid=45381
(URLは11月18日分、近日あった「谷口ジローさんをしのぶ会」のもの)
2017年もっとも“意外だった”ニュース
「林真須美VS上田美由紀」(7月5日)
鳥取連続不審死事件の上田美由紀被告に対し、和歌山毒物カレー事件の林真須美死刑囚が東京地裁に1千万円の損害賠償を提訴していることが明らかになった。2人に面識はない。雑誌に親交があるように書かれて精神的苦痛を受けたという。筋違いのような獄中訴訟だが、世間を騒がせた死刑囚の間には複雑な思いが交錯しているようだ。上田被告には7月27日、最高裁で死刑判決が下り、確定した。
2018年注目のニュース
「石破茂さん、総理への道」
憲政史上、鳥取県出身の総理大臣はいない。鳥取県民は、ポスト安倍候補である石破さんに第99代首相就任を期待している。しかし、地方組織で根強い人気があっても、肝心の自民党内で政権批判を強める石破さんには風当たりが強い。自ら弱小派閥を率いる悲哀もある。とはいえ、政治の世界の一寸先は闇に包まれている。逆境を越えて総理の座を手中にできるか、2018年秋の総裁選に向けて注目したい。