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爆風や放射能から守ってくれるハイテク装置
地下シェルターの利点は「涼しさ」だけではないという。ミサイルが着弾したとき、もっとも恐ろしいのは爆風や熱線だが、地下にいれば爆風などの直撃を受ける確率がかなり低くなる。
そのときに効力を発揮するのが、シェルターに設置された「ブラストバルブ」と呼ばれる装置。ブラストバルブとは、簡単に言えば外気の取り込みをコントロールしてくれるシステムのことだ。
「Jアラートが鳴って地下のシェルターに避難すれば、5分から10分後にはミサイルが着弾します。すると、ブラストバルブが自動的に閉まり、シェルターが密閉された状態になる。そうすることで爆風が入ってこないようにしてくれるのです」(吉山氏。以下同)
爆風を防ぐだけでなく、シェルターは空気をフィルターで濾過してクリーンなものに変えてくれる空気清浄機も備えている。放射能に汚染された空気を吸う危険性も低くなるわけだ。
電気の確保もバッチリ
また、ミサイル攻撃や大地震が起きたときに重要となるのは電気の確保だ。停電して電気が使えなくなると、スマホが充電できなくなり、情報収集のためのラジオなども聞けなくなる。
そういう状況を想定して、このシェルターでは2つの対策を用意しているという。ひとつはオプションとなるソーラーパネルの設置。しかし、ミサイルが着弾すればソーラーパネルも吹き飛ばされ、太陽光発電ができなくなる可能性が高い。
「そのときのために、シェルター内には封を切ると発電を開始する非常用バッテリーも用意しています。室内の明かりやスマホの充電だけなら2週間程度は電気を使うことが可能です」