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シェルターを防音室やワインセラーに使う客たち

 ちなみにベッドはふかふかで寝心地がよく、米国仕様なので背の高い男性が寝ても足がはみ出すことはない。展示されているシェルターでは簡易トイレが設置してあるが、微生物の働きによって排泄物を分解・処理するバイオトイレを設置することも可能だという。

横幅は狭いが、ベッドはマジで寝心地がいい。

 もちろん水や食料を備蓄しておくスペースも十分にある。フローリングの床材を外すと、その下はすべて収納スペースになっており、非常食などさまざまなものを備蓄することができる。

フローリングの下には、家族4人の2週間分の水や食料を余裕で収納することのできるスペースがある。

 ひとつ気になるのは、2段ベッドの反対側になぜかワインセラーが備えられていること。いくらモデルルームといっても、核シェルターにワインセラーはさすがに場違いに思える。

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場違い感が半端じゃないワインセラー。

 しかし、これはけっしてジョークではないようだ。吉山氏によると、実際にこうした仕様を希望する客がいるのだという。

「あるお客さんは『音楽が趣味なので、シェルターにサックスを吹けるスペースをつくってくれ』とオーダーしてきました。非常時にサックスなんて吹かないだろうと思うかもしれませんが、その方は通常時に防音ルームとして使いたいらしいのです」

 核シェルターはいざというときのためのもので、普段は使用しない。むしろシェルターは使わないに越したことはない。そこで通常時は防音室やワインセラーとして有効活用しようというわけだ。

 とはいえ、1500万円ものお金を投じて自宅の地下に防音室。これが富裕層の余裕ということなのかもしれない。

撮影=松本輝一/文藝春秋

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