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掛け値なしに、1人で2人分の働きとなる超人的な起用法

 10勝した今、大谷の次の今季の目標は規定投球回(162イニング)到達となる。規定打席到達は確定的で、同時達成ならメジャー史上初の快挙となる。

 大谷は既にオールスター戦後、中6日が基本線だった登板間隔を中5日に短縮している。

「(中5日にしたかったという)希望は特にないですね。まあ話して、どういうふうに投げていくか。そこは監督のマネジメントというか、投手コーチもそうですが、自分の体調と相談しながらやりたいなと思います」と首脳陣との話し合いで、納得ずくの起用法変更だったことを示唆した。長年MLBで活動する代理人が事情を説明する。

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二刀流の最終形態にさらに近づいた ©共同通信

「中6日だったことは二刀流選択のデメリットの一つとされてきた。チームは先発ローテーションを回すために投手が5人ではなく、6人必要になるからです。中5日でも6連戦だと6人必要であることに変わりないだけに、大谷はいずれメジャーで主流の中4日にすることも考えているのではないか。その上で今のようにDHで出場する。これで掛け値なしに、1人で2人分の働きとなる」

 ツーシームはこの超人的な起用法を実現させるため、有効な球種となる。

「中4日で回れば、疲労が抜けきらないこともある。毎試合、三振狙いの投球では続かない。ツーシームで打たせて取るケースが増えることで、省エネになる上にイニング数も稼げる」(前出の解説者)

 MVPに輝いた昨季の「9勝、46本塁打」も、今季の「2桁勝利、2桁本塁打」も通過点にすぎない。大谷が本気でMVPとサイ・ヤング賞のダブル受賞を狙っているのではないかというこの解説者の見立ても、大袈裟ではなくなってくる。