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懐に手榴弾を忍ばせて…「首を縦に振らなかったらピンを離すぞというわけや」山一抗争の主要人物が語る、抗争勃発の“裏側”

『烈侠』より#1

2022/09/16

genre : 社会, 働き方, 読書

note

加茂田組の参加が持つ意味

 もしわしが参加してなかったら、一和会もあないな形で成立しとらんやろ。わしの名前がなければ、溝橋、北山、あのへんは全部出てない。あれらはもともと番町会やしな。

 あとから考えれば、わしがまとめて下から、番町会にいたような人間を全部取り込んで、そういうのを一本でまとめていったほうがきれいだったんちゃうか。山広は山広、わしはわしというかたちで別にやっていくという形や。まあ、やってもうたことはしゃあないが。

 しかし、わしがおらなんだら、もし分裂はしとったとしても、あないな全面戦争にはなってなかったかもしれん。テレビのインタビューで「来たら行きます。喧嘩はします」言うたのは、そら極道やからしゃあないで。極道しとる以上、来たら行かなならんやろ、ということや。

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 もともと、四代目選出の手続きが理不尽やったから、仕方なく組を出たまでで、割って出た意識はあんまりなかった。その点は、いまの六代目山口組と神戸山口組の抗争とは違う。四代目選出がそういう形なら、こっちは独自の道を行くわ、というだけの話や。

 最初に手を出したのは向こうで、こっちが仕掛けた喧嘩やないから。せやけど、来たらしゃあないやろ。そんだけの話や。受けて立ったというだけや。

烈侠

加茂田重政

彩図社

2022年7月19日 発売

懐に手榴弾を忍ばせて…「首を縦に振らなかったらピンを離すぞというわけや」山一抗争の主要人物が語る、抗争勃発の“裏側”

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