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 カカオのデータセンターは首都圏内に4カ所あり、火災が起きたのはソウル市郊外にあるメインのデータセンターで、およそ3万2000台のサーバーが設置されていた。地上6階建ての建物の2階から6階には韓国最大のポータルサイトを持つNAVERをはじめ他社のデータ室もあった。火元は地下3階にあったバッテリーの保管棚とされているが、詳しいことはまだ分かっていない。ちなみにNAVERはメインデータセンターが別の場所にあったこと、データセンターが分散していたこともあり、カカオよりも復旧は早かった。

起こるべくして起きた事態

 週明けのメディアのトップニュースはカカオ障害一色。新聞の一面には、「日常が途切れた」(中央日報、10月17日)、「ひと部屋にあるプラットフォーム社会」(京郷新聞、同)、「火事ひとつで止まる“カカオネットワーク社会” 怒りを超えて恐怖に」(韓国日報、同)などの見出しがずらり。

 韓国きってのモンスタープラットフォーム企業といわれたカカオの危機管理に非難が集中しているが、当のカカオは、「データセンター火災と電源の供給中断まで予測できなかった」と副社長が釈明し、火に油を注いだ。韓国のIT業界関係者は言う。

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「まあ、よりによってメインのデータセンターだったという運の悪さもあったかと思いますが、カカオが自前のデータセンターも持たず、あれだけの規模を誇りながら危機管理がおざなりだったことは業界では知られていた話で、起こるべくして起きた事態といえます。

 カカオは近年になってようやく自前のデータセンター設置に着手し、2023年完成予定といわれていますが、あれだけの企業であればすでに持っていないほうがおかしいんです。データセンターは資金と時間さえあればいつでも造れる。プラットフォームの肝となるものですから、当然、備えなければいけませんが、カカオは事業拡大に盲進しました。

 カカオの事業の拡張ぶりは同業者としては目を見張るものもありましたが、カネの使い方を間違えていたと言われてもしかたありません」

今回のような大規模なサービス障害は前代未聞

 カカオは2010年にカカオトークから始まった。創業者のキム・ボムス氏は、ソウル大学、大学院の産業工学科を卒業し、サムスンSDSに入社。ほどなくして退社しゲーム会社を起業。その後、サムスンSDS時代の仲間と現在のNAVERコーポレーションの前身NHNコーポレーション社を創業するも、ここもしばらくして退社する。2007年にiPhoneが登場するとモバイル時代に突入すると予想し、メッセンジャーアプリ「カカオトーク」を開始したと伝えられている。