文春オンライン

 GHQ内部に知己を得た清水氏は、パイナップルやバナナの輸入に乗り出す。今も「パインちゃん」との愛称で呼ばれる由縁だ。台湾のバナナ貿易商で蓮舫氏の父・謝哲信氏とは、この時代に知り合ったという。

1961年、大阪でライフを開店

「そうして得た資金を元に1961年、大阪で開店したのが、ライフでした。スーパーという業態は、出入りしていた米軍の基地購買部からヒントを得たそうです」(前出・経済部記者)

 ライフは高度成長期の追い風に乗って、関東に進出して、一大チェーンへと成長。清水氏は1986年に日本チェーンストア協会の会長に就き、業界の論客としても存在感を示すようになる。

ライフ(公式ホームページより)

小沢一郎氏の要請に応じて出馬も落選

「売上税導入を巡って反対運動の先頭に立ち、中曽根康弘首相や竹下登首相に直談判を重ねました。一方で小沢一郎氏とも親しかった。2001年には小沢氏の要請に応じ、参院選に出馬したものの、落選。2010年には民主党から参院選に出ましたが、再び落選した。それでも政治にモノ申す姿勢は変わらず、野田佳彦首相(当時)に増税反対を訴えたり、『今の国会議員は足の引っ張り合いばかり』と嘆いたりもしていました」(財界関係者)

 64年間にわたり代表権を持ち続けてきたが、今年5月26日に「一つの役目を終えた」として、取締役から退任。代表権のない名誉会長となっていた。

 戦後の混乱期を経験した清水氏の経営哲学は「足るを知る」。ただ、個人会社の保有株などから見た清水氏の推定資産は約120億円。経営で大きな成功を収めてからは、充分に豊かな“ライフ”だった。

文藝春秋が提供する有料記事は「Yahoo!ニュース」「週刊文春デジタル」「LINE NEWS」でお読みいただけます。

※アカウントの登録や購入についてのご質問は、各サイトのお問い合わせ窓口にご連絡ください。

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

週刊文春をフォロー