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目を見張るアメニティの充実

 4号・新法に限らず、そもそもレジャーホテルは設備やアメニティの充実でも知られる。男女の突発的な利用も多い業態だけに、特に女性が満足できる備品やアメニティの提供は必須だ。ドライヤー類だけでも、カールドライヤーやヘアアイロンなど3種類、4種類ある施設は珍しくない。その他、大型テレビ、大きい浴室など、充実の設備を持つケースは多く、何より防音にも優れている。

筆者が持ち帰ったアメニティの数々

 筆者は2014年に372のホテルへチェックイン、後日比較するためにアメニティを使用せず、持ち帰れたものはビニールのケースへ保存した。並べてみると、種類・量ともにもっとも充実していたのは、高名な外資系ラグジュアリーホテルよりも、レジャーホテルのアメニティであった。特に肌に触れるモノへの気づかいは感動的ですらある。

ビジネス宿泊をウリにするレジャーホテルも増加

ホテル不足問題の救世主か?

 ここ2、3年でレジャーホテルが注目されている要因のひとつとして、都市部を中心としたホテル不足問題がある。訪日外国人客の増加を背景にホテルの稼働率が上昇、料金も高騰、何よりホテルが取れないという悲鳴が相次いだ。レジャーホテルは基本的に料金が均一でシーズンによる変動もなく、都市部ではアクセス至便な繁華街に立地する。

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 このような状況からホテル不足の受け皿にと、ビジネス客や一般客の取り込みをするレジャーホテルも増えた。最新の動向としては、新法営業ホテルを中心に一般のホテル予約サイト(OTA)への登録も増えている。レジャーホテルの一般ホテル化と同時に、ホテルカテゴリーのボーダーレス化ともいえるだろう。

 最近では、一般のホテルでもレジャーホテルの十八番であるデイユースプランは珍しくなく、こうなるとレジャーホテルと一般ホテルの差異はどこにあるのかという話になる。そこはやはり避妊具の有無がポイントになるだろうか。とはいえビジネスプランや女子会プランの場合は、避妊具の撤去をはじめ、VOD(ビデオ・オン・デマンド)のアダルト放送も中止するなどの対応がとられるという。

 

 いま一般のホテルで人気のサービスが、実はレジャーホテル発祥という例もあり、レジャーホテル経営会社が展開する一般のホテルが大人気という事例も相次いでいる。客室ステイに主眼の置かれた業態だけに、支持されるサービスの飽くなき追求には目を見張るものがある。「我々は10年先を行っている」と豪語するレジャーホテル経営者もいた。

 よいホテルのポイントは、「ハード」ソフト」ヒューマン」といわれる。人的サービス、接客のないレジャーホテルにはヒューマンがないと思われがちかもしれない。しかし接客がないゆえに、客室(ハード)やアメニティ(ソフト)に力が入れられてきた側面もある。だからこそ、徹底した利用者目線が貫かれているのはレジャーホテルのヒューマンといえるかもしれない。

レジャーホテルのいま #2 「進化型レジャーホテル」が一般ホテルの先を行く理由〉では具体的におすすめレジャーホテルを紹介する。