秋葉賢也復興大臣が政治資金を巡る問題などにより辞任したのを受け、昨年12月27日に就任した渡辺博道復興大臣(72)。政治団体から30万円の寄付を受け取ったにもかかわらず、政治資金収支報告書に記載していないことが「週刊文春」の取材でわかった。政治資金規正法違反(不記載)の疑いがある。

渡辺博道復興大臣 ©時事通信社

 その政治団体とは、電気管理技術者らでつくる「全友会」。千代田区内にある事務所は、経済産業省所管の「公益社団法人東京電気管理技術者協会」と同じ場所だ。

 2021年分の収支報告書によれば、政治活動費として約2000万円を計上し、国会議員への寄付に使われている。顔ぶれは二階俊博元自民党幹事長、高市早苗経済安全保障相、海江田万里氏らをはじめ、主に経産大臣、副大臣経験者が並んでおり、最も多いのは甘利明元幹事長。セミナーなどのパーティ券購入に計150万円、寄附が200万円に及ぶ。現職の西村康稔経産大臣にも計80万円献金している。

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 そうした中「全友会」は、2006年に経産副大臣だった渡辺氏のパーティ券を、少なくとも2019年から3年連続で購入しており、2021年は「渡辺ひろみち君と明日を語る会」(10月6日開催)で8万円購入した。加えて2021年は、10月19日にも、渡辺氏が支部長の「自由民主党千葉県第六選挙区支部」に30万円の寄附をしている。

 政治資金規正法では、政治資金パーティは20万円、寄附は年間5万円を超えた場合、収支報告書への記載が義務づけられている。だが同支部の収支報告書には、30万円の記述はなかった。