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 ベロニカ容疑者は妊婦のフリを続けていたが、いよいよ周囲への嘘が限界を迎えて凶行に及んだのだろうか。しかしスペイン紙『エル・ムンド』によれば、妊婦を殺害して胎児を奪う計画は長期間に渡って練られたものだったという。

 ベロニカ容疑者はFacebookで「赤ちゃん向けに新しい服をあげます」などと投稿し、ロサさん以外の女性ともメッセージのやりとりをしている。

死亡したロサさん 「エル・ウニベルサル」より

「さらに不穏なことにベロニカ容疑者は『妊娠28~32週の25~30歳の女性』を対象に、『普通ではない仕事』を報酬1万ペソ(7万円弱)で募集しているんです。妊婦として振る舞っていたベロニカ容疑者が、実際に妊娠している女性を、何かをやらせる“身代わり”として探していたと見られています」(同前)

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 事件の司法手続きは進行中だが、ロサさんのお腹から取り出された子供が生存していることがわかると、世論は安堵の声に包まれた。父親の元で元気に育っているようで、現地のSNSでは「奇跡の子」と呼ばれている。

日本で胎児が連れ去られる事件が起きたことも

 あまりに凄惨な事件だが、日本でも「妊婦が殺害され、胎児が連れ去られる事件」が起きたことがある。1988年3月には、出産を間近に控えた主婦の守屋美津子さん(当時27歳)が名古屋市中川区の自宅アパートで殺害され、腹部を切られ胎児が取り出された事件が発生。胎児の男の子は奇跡的に一命を取りとめたが、犯人は見つからず15年後に時効が成立している。

 アメリカでも2004年に妊婦(当時23歳)を殺害して胎児を奪い去った事件があり、逮捕されたリサ・モンゴメリーが2021年に死刑となった。女性に対する死刑の執行はアメリカでは67年ぶりのことだった。

写真はイメージです ©AFLO

「妊婦が被害者の殺人事件は子供が目的のことも多く、社会的な反発は強いですが中南米ではそれなりの頻度で起きています。メキシコは日本と人口がほぼ同じですが、殺人事件の件数は1年で37000件とも言われ、日本の30倍以上。女性の被害者も4000人にのぼり、南米などへ旅行する際は注意が必要です。とりわけ妊婦の方の旅行先としてはオススメできないというのが正直なところです」(同前)

 出産という人生の一大イベントを控える女性を狙う凶行は許されない。