学校から「申し訳ありませんでした」と電話が…
――「過剰」というのは、具体的にはどんなことですか。
hitomi 先生のちょっとしたミスで子どもの消しゴムが無くなったことがあったのですが、学校から「申し訳ありませんでした」と丁重に電話がかかってきて驚きました。子どもがほんの少し頭をぶつけたとき、恐縮してしまうくらい謝られたこともあります。
私自身は、外に行けば何か起きてしまうのは仕方ないと思ってるし、アクシデントも学びになると思ってるくらいなんですけどね。だから子どもには基本的な礼儀とか、人を傷つけないとか、そういうことだけはきちんと伝えているつもり……ですが、「どの口が言ってんだか」という感じも常にあって。
――「昔の自分が今の自分を見たら笑っちゃうよね」みたいな感じですか。
hitomi そうなんです。一応、子どもの前では「親」というロールをやってますけど、「本当は親の自分の方ができてないんだよね」みたいなことはしょっちゅうあります。子どもによく「ダメなんだよ、ご飯食べる前にお菓子食べちゃ」と自分が言ってるのに、私が食べてる姿を見られると「ママだってやってるじゃん」と注意されます(笑)。
自分が特別だと思ってほしくない
――今、一番上のお子さんが14歳ということで、hitomiさんが雑誌「Fine」でモデルデビューした17歳も目前ですよね。お子さんを見ていて、同じ道に進むことなどについて考えることはありますか。
hitomi つい先日、長女が「プロジェクトセカイ」というライブを見に行ったんです。そのライブでは、演奏は生演奏だけど歌い手が初音ミクさんなどでバーチャルらしく、BOØWYファンでライブハウス育ちの自分なんかは、子どもの説明を聞いて「へぇ~」という感じで。
だから、娘の時代と私たちの思春期の時代はまったく違うんだということを踏まえて、子どもたちの将来も考えるようにしています。普段から、私が歌手であることを子どもたちに言うことはないんです。テレビにたまたま出てたら「こういう番組に出たんだ」とかって説明はしますけど。
――お母さんが芸能人であることを意識させないようにしている?
hitomi 自分が「特別」だと思ってほしくないんですよね。歌手というのも職業のひとつであって、八百屋さんやパイロットや税理士や、いろいろある仕事のうちのひとつ。自分の歌詞が生活と地続きで生まれてくるように、子どもにも地に足のついた暮らしをしていってほしいなと思っています。
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