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アプリで出会って“枕”でガッツリつかむ

「ホストの営業手法もどんどん進化しています。その一例がマッチングアプリ。ここで恋人を求める普通の男女として出会い、実際に会った時に『実はホストの仕事をしているんだ』と打ち明け、そのまま店に同伴させるんです。初回は1000円で入れますし、指名しても1万5000円ほどで済みます。夜の仕事をしていない普通の会社員の女性でもギリギリ払える金額なんです。

 その後、アフターで“枕”をしてガッツリとハートをつかむ。2回目以降はテーブルだけで2万、酒代込みで4万円超はかかりますから一度ハマれば“転落”してしまうのは避けられません」

 歌舞伎町周辺では「〇億円プレイヤー」といったド派手なビジュアルの広告を掲載し、大音量でCMソングを流しながらトラックが走るのも、もはやお馴染みの光景となっている。こうした“ホストバブル”の隆興には、客層の裾野が広がったことも一因のようだ。

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ホスト時代の秋葉容疑者 ©文藝春秋

 前述の中年女性客が続ける。

アプリの影響で増えた「普通の女性会社員客」

「マッチングアプリの影響もあってか、普通の会社員の女性客が増えました。なぜわかるかといえば、この2~3年でクレジットカードで支払っている客が一気に増えたから。クレジットカードは今回の事件のように“ツケ”にせず、確実に金が入るのでホスト側にとってもメリットが大きいのでしょう。知人の看護師の女性は、クレカを限度額までまず切らされたあげく、ホストに『付き合ってんなら、それぐらいできるでしょ』と直接言われ、今はデリヘルで働いています。

 昔のホストは長く客をつなぎとめるためにも、限界を超えるようなお金の使わせ方はしませんでした。『家賃引いて今月収入いくら?』『ある時でいいよ』と生かさず殺さず、の営業をしていた。でも、今の30歳前後のホストの催促は闇金バリですよ。業界が大きくなって稼げないホストも増えたからか、入金漏れの取り立ては以前より厳しくなりました。勝手に50万円のシャンパンを開けられそうになったこともあります」

表彰された秋葉容疑者

 金の切れ目が縁の切れ目。前述の女性客は、一度入金漏れをした後、3年ほど通っていた担当ホストから「付き合うとか吐き気でしかない毎日だったよ」と捨てゼリフを吐かれたという。「気分が悪すぎる」と今後は利用を控えるつもりだ。

 30代女性会社員も意気消沈した様子で取材班に“転落”の経緯を語った。