クリスマスの聖夜に交際中の恋人に暴行をはたらいたとして、1月10日に逮捕されていたプロボクサーの鈴木淳容疑者(32)が、先月30日傷害罪で起訴された。「イケメン淳」のリングネームを持ち、32歳のベテランボクサーとして活躍していた男の鉄拳は、恋人に7週間の傷を負わせる凶器にかわってしまった。
ボクシングへの熱い思いがあったという容疑者は、なぜ対戦相手でない女性に向かって暴走したのか。「イケメン淳」のモテ男ぶりと、拳を交えたこともある関係者の話を伝えた当時の記事を再公開する。(初出:2023年1月13日。年齢・肩書は当時のまま)
青コーナーより、イケメン淳(あつし)選手の入場です――。
2022年6月12日、3000人を収容する東京の「アリーナ立川立飛」で開かれたボクシング大会のメインイベント。スポットライトに照らされながらリングへと歩みを進める鈴木淳容疑者(32)の目にはボクサーとしての闘志が宿っていた。
結果は判定負けだったが、格上の日本ランカーの猛攻を浴びながらも、ひるまず接近して強烈な左フックを打ち返す姿には、32歳のベテランボクサーとしての意地がにじみ出ていた。
『助けてください。警察呼んでください!』女性は全治4週間のケガ
イケメン淳――特異なリングネームどおりの甘いマスクを持つ彼が、磨き上げてきた拳を20歳の交際相手の女性に向けてしまったのは、試合から半年後の2022年12月25日、クリスマス当日の深夜。
自宅近くの路上で女性の胸ぐらをつかんで引き倒したうえ、顔を蹴るなどの暴行を加えて怪我を負わせたとして、千葉県警がイケメン淳こと鈴木淳容疑者を傷害容疑で逮捕したのは1月10日のことだった。全国紙社会部記者が話す。
「クリスマス当日、女性と一緒に歩いていた際に何らかのトラブルになったようで、鈴木容疑者は1分間にわたって暴行を続けました。女性は右目の骨を折るなど、全治4週間のケガを負っています。鈴木容疑者は犯行後に現場を立ち去っており、残された女性が通行人に『顔を殴られた、助けてください。警察呼んでください!』と助けを求めたようです。その後、女性は被害届を提出し、逮捕となりました」
現場は最寄り駅から少し離れた住宅街の歩道で、近隣住民によると深夜には滅多に人が通らない静かな場所だという。鈴木容疑者の所属ジムは現場からわずか200メートルにあり、ジムは11日、「格闘家(プロボクサー)として、技を磨き、リングで夢を与えるプロ選手として、絶対に許される事ではありません」とFacebookで謝罪声明を出した。聖夜の路上で、2人の間にいったい何があったのか。