国内携帯キャリアの契約者数で第3位のソフトバンク。同社の店舗で、契約者のスマホにキャッシュレス決済アプリ「PayPay」をダウンロードさせる際、同社クルー(店員)による“違法行為”が横行していることが「週刊文春」の取材で分かった。
現役の店舗クルーが語る。
「キャリア大手3社の中でもソフトバンクは営業に強いというイメージがありますが、店舗はゴリゴリの“体育会系気質”。ウチの店舗には路面店のいわゆる『ソフトバンクショップ』と、家電量販店の中にある店舗があります。前者の多くは代理店が運営していますが、後者はソフトバンク本社が直接運営を行っていることが多い。私が働いているのも家電量販店内にある店舗です」
直営店舗には、地域を統括するエリアマネージャー(AM)、複数の店舗を管理するスーパーバイザー(SV)がいる。その下で働いているのが店舗クルーだ。
「AMはSVに『予算』という名の高い目標値、つまりノルマを課して追い込みます。この数字を達成するため、SVはさらに下の店舗のクルーを強烈に追い込んでくる。彼らのパワハラに私たちは苦しんでいます」(同前)
店舗クルーたちはMNP(携帯電話番号ポータビリティ)による他社からのポートイン(乗り入れ)をはじめ、様々な項目で数字をあげるべく日々奮闘しているが、契約時のオプションとして重要視されている“必須アイテム”があるという。
「PayPayです。『とにかく入れさせろ(契約させろ)』という圧力が凄いのです」(同前)
PayPayはスマホのキャッシュレス決済アプリ。運営するPayPay株式会社は2018年6月にソフトバンクとヤフーによって設立され、2022年10月にソフトバンクに連結子会社化された。同年8月には登録ユーザーが5000万人を突破している。前出の店舗クルーは「登録者数の“かさ上げ”に我々はかなり寄与していると思いますよ」と語る。
だが、契約時にPayPayアプリをダウンロードさせる際、クルーによる重大な“違法行為”が行われるケースがあるという。