日経新聞記者が、「私腹を肥やす行為」を行っており、今年1月に懲戒解雇されていたことが「週刊文春」の取材で分かった。

 社内の複数の幹部や記者らによると、今回懲戒解雇となったのは50代後半のX記者。昨年後半から問題を把握した会社側はX氏の不正について社内調査を行っており、同氏は昨年11月から12月頃には謹慎していたと見られる。年が明けてから正式に懲戒解雇が決まり、すでに社内の情報共有システムからもX氏の名前は消されている。

日経の長谷部剛社長(社のHPより)

 X氏とはどんな人物か。

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「若手時代には経済部で大蔵省や自治省を取材。その後、企業報道部で電力業界やビール業界の担当を経て、最近は不動産業界に詳しい専門記者として活躍していた。仕事熱心で後輩の面倒見がよく、業界に食い込んでネタを取ってきたり、新聞記事を書く傍ら、すでに著書を4冊も上梓するなど“できる記者”の顔を持っていた。一方で、企業との“癒着”が度々取り沙汰されてきた。豪放磊落な性格のXは女性のいるクラブも大好きで、大手企業からベンチャーまで様々な企業の関係者や広報に『今度銀座のクラブに連れて行ってくださいよ』『可愛い女性のいる店でお願いします』などと要求しては飲み歩いていました」(日経中堅社員)

 そのX氏が懲戒解雇されたのは何故なのか。日経幹部が語る。

「今年1月、各グループ長が参加する会議で、ある社員が懲戒解雇となったことが伝えられました。明かされたのは当該社員の所属と役職のみで名前も明らかにされませんでした。懲戒理由についても『私腹を肥やしていた』旨の説明があっただけで、具体的な説明は何もありませんでした」