3月10日、WBC 2023で侍JAPANが「宿敵」韓国と激突した。因縁深い両国なだけにファンたちの気持ちも昂ぶっていたが、その夜、いったい何が起きていたのか……。

 ここでは、日本、そして、韓国代表を応援する男女二人組のアツい気持ちを紹介する。

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 僕は東村山から来まして。もう終電がないんですよ。なので、2人ともこのまま漫画喫茶に泊まろうと思っています。

 女性と職場は違うんですけど、もともとお互いコールセンターで働いていて意気投合して一緒に観戦に来ました。普段の仕事では、電話をかけてくる相手の反応に「おいおいおいおい……」と思うこともありつつ……ってときもありますが、そんなことより、とにかく今日の試合は最高でしたね! うぉー! っていう感じでした。

©佐貫直哉/文藝春秋

 僕は『キム秘書はいったい、なぜ?』っていうドラマを見てから、パク・ソジュンっていう俳優が好きになって、今も韓国のドラマがめっちゃ好きなんです。だから、今日の日韓戦では、日本を応援しながらも「テーハミング!」っていう韓国の応援が聞けてめっちゃ嬉しかったです。

 だから、どっちにも勝ってほしいし、どっちにも負けてほしくないみたいな……。そういうわけで、途中からは試合展開的にもちょっと韓国が可哀想になってきちゃってましたね。

 日韓戦というと韓国が宿敵っていう感じではありますけど、本当は韓国と一緒に決勝ラウンドに上がりたかったなって思っています。韓国がオーストラリアに負けたのは意外だったし、悔しかった。チェコと中国には勝ってほしいです!

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 今持っている韓国国旗は、帰りがけに韓国人の女性から「おめでとう」と言われながら渡してもらったんですよ。「カムサハムニダ」くらいしか会話は交わしていないんですけど、スポーツ観戦を通じてちょっとした国際交流ができてよかったですね。

 よく、韓国人は日本人が嫌い……なんて、言われがちですけど、そんなことはなかったですし、逆の試合展開だったときに、日本人がそういうことできるのかな、と思いました。韓国国旗はしっかり持って帰ります!