「まさかと思うけど、あんたじゃないよね」
友人からこんなメッセージと共に送られてきた、ネットニュースのリンク。開くと「WBC強化合宿 ニセ女記者が侵入未遂」とありました。お母さん、もうこの年でお縄につきたくない。ニセはニセでもニセ女記者ではなく、私はニセお母さん。昇太、元気にしていますか。ニセお母さんです。ちなみに以前川崎ラゾーナで中年女性が鎌を振り回す事件があったときも同様の問い合わせが寄せられました。お母さんが振り回すのは、鎌ではなくタオルです。荒波翔タイム。
あの日からもう、7年も経ったんだなぁ
いくら親が子を思う気持ちが強いといっても、IDを偽装して侵入するなどもってのほか。そもそもそんなテクニックもないお母さんです。WBC強化選手に選ばれ、宜野湾ではなく宮崎で汗を流す昇太を、お母さんは誇らしさ半分、心配半分、ただ遠い川崎の地から思いを馳せるのみでした。
でも、それは杞憂でしたね。昇太は宿舎にWii Sportsを持ち込んで、山本由伸投手や牧秀悟選手、高橋宏斗投手らとゲームで交流を図っていると、お母さんサンスポの記事で知りました。コントローラーが2人分しかなく「今永の部屋に相手を呼び込む道場形式」と書いてありましたが、何をやってるの昇太……コミュニケーション独特すぎる。でも以前昇太は、パワプロの対戦動画で「新しいパワプロは操作が初めてなので新しい自分を見つけられれば」と話していたので、今回の道場形式でもきっと新しい自分を見つけてるのではないかと、お母さん自分に言い聞かせました。
投手ではダルビッシュ投手の次の年長者が昇太なんですって。お母さんびっくり仰天です。だって、ドラフト1位で入団し、神妙な面持ちでゲッツしてたあの日がまるで昨日のことのように思い出されるから。ハマスタでの初登板、クルーズ選手、ギャレット選手、立岡選手に本塁打を浴びて、〆すぎた鯖のようにみるみる顔色を失っていく昇太。お母さんも現地で鈴木その子くらい蒼白になっていました。でも試合後、
「5回の立岡さんの本塁打は打たれちゃいけない。試合を決めてしまったのかなと思います。3点差と4点差は違う」
と、ルーキーらしからぬコメントを残した昇太に、ああベイスターズにこんなクレバーな投手が来てくれたんだと感銘も受けました。ベイスターズは変わる。昇太が新しいベイスターズを作ってくれるに違いないと、そんなふうに感じたあの日からもう、7年も経ったんだなぁって。