3月21日、ジャニーズ事務所を退社した滝沢秀明氏(40)が、ツイッターの生配信で、会社「TOBE」を設立したことを明らかにした。配信では「僕はもう一度エンターテイメントの人生を歩もうと決意いたしました」と表明し、新人を募集して、アーティストをプロデュースする会社を立ち上げたと発表した。

 ジャニーズ事務所のタレントを巡っては、昨年11月4日、ジャニーズの5人組アイドルグループ・King & Princeから平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太の3人が翌年5月に脱退することが電撃発表。「話し合いを重ね、全員が『お互いの人生を尊重しよう』という考えで一致」し、発表に至ったというKing & Prince。その3日前に、退任を発表していたのが、副社長であった滝沢氏だったことから、ファンや関係者には衝撃が広がっていた。滝沢氏とジャニーズ事務所の間に何が起きていたのか。滝沢氏の引退劇をどこよりも詳細に報じた「週刊文春」の特集記事を特別に無料公開する(初出:週刊文春 2018年9月27日号 年齢・肩書きは公開時のまま)。

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「タッキー引退」「ジャニー社長の後継」。9月12日に発表された引退表明は、約2週間前に小誌が報じた通りの内容だった。では彼を引退に追い込んだ理由とは何なのか。そこにはジャニーズ内の深刻な路線対立があった。他誌では絶対に読めない「滝沢引退」全真相(全2回の2回目/#1から続く)。

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「このままジャニーズにいても自分のやりたいことができず、後輩たちの人生も背負い切れない。本気で実業家への転身を考え、自ら企業と接触していた時期もあった。プライベートで熱心に行っている火山探検の活動も、自分でスポンサーを見つけています。ジャニー氏は滝沢を引き止めるために、以前から構想にあった後継者指名を前倒しで実現させたのです」(滝沢の知人)

滝沢秀明

 今年7月、ジャニーズ事務所は公式サイトに新たな組織図を掲載。そこにはジャニー氏直轄の「Jプロジェクト」なる新組織が設けられている。

 副社長であるメリー氏、ジュリー氏の管轄から明確に分離されているが、この新組織こそ滝沢が手がける新プロジェクトであり、小誌が指摘した「養成所」計画なのだ。

「『Jプロジェクト』では、ジャニー氏が発掘と育成のノウハウを後進に引き継ぐ。ジュニアの下にこれまでは存在しなかったジャニーズチルドレンと呼ばれる“研修生”というポジションが設けられる。才能が認められた少年は“特待生”として月謝も教科書代も無料で育成する計画もあります」(芸能プロ幹部)

ジャニー氏の仕事術を目の当たりにしてきた滝沢

 だが、異能のジャニー氏が少年の才能を見抜く能力は他人が容易に真似できるものではない。ジャニー氏と親交のあった作家の小菅宏氏が語る。

「かつてジャニー氏に100枚以上ある応募写真の中から4人の少年を選ぶように言われたことがある。自分なりに写真を選んでみたが、ジャニー氏から『全然ダメ』だと却下された。彼は15、6歳の少年が10年後、15年後にどんな顔になるかがイメージできる。その心眼の正確さは幾度となく証明されてきた」

 13歳で入所して以来、ジャニー氏から目をかけられた滝沢は、ジャニー氏の間近でその仕事術を目の当たりにしてきた。