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櫻井側の主張と食い違う“2人の関係の重さ”

 そこからB子さんと相手方の弁護士間で示談金交渉が始まった。B子さんはこれまで受けた苦痛について弁護士に伝え、これに見合う金額を提示してほしいと願い出た。すると弁護士から、《貴殿に対する謝罪の意を込め、100万円をお支払いさせていただきたく、ご提案させていただきます》と返答があった。

 しかし15年間を櫻井に捧げたB子さんにとって、100万円は納得できる金額ではなかった。B子さんはこのように返信した。

《100万円という額は、きちんとヒアリングを行った結果算出された額なのですよね?少なくとも2018年~現在に至るまでに2人の間で交わされたメールなどをすべてチェックし、関係を熟慮されたうえでのご判断だと思って間違いないのですよね?》

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《「お前は俺にとって15年で100万の女な」という判断を下した訳ですよね》

《こちらとしては提示額にゼロが1つ足りないという認識ですので、双方の事実認識・価値判断・物事の捉え方にあまりに差異がありすぎ、こうして解決出来る事柄ではないという判断に至りました》

《本件に一番相応しいと思う形で本件に幕を引かせて頂きます。(中略)「誠心誠意」という言葉を信じて許そうと思って残していた心の余白も全て真っ黒に塗り潰されましたので、今の私には悲しみと怒りしか残っていません。櫻井さんのことを守ろうなどという心はもう微塵も持ち合わせていない点、ご本人にも十分にお申し伝え下さい》

櫻井と妻 ©文藝春秋 撮影/細尾直人

 B子さんは弁護士とのやりとりを振り返って嘆息した。

「この後に判明したのですが、櫻井さん側の弁護士はしっかりと事実確認すらしていませんでした。弁護士からのメールには、私と櫻井さんの関係について、《約15年の間、年1~2回ほどの断続的な関係があり》《婚姻後についていえば、多くて2回》と認識していると。しかも櫻井さんが結婚するまでの《約13年間は対等の関係》だったので、この期間は謝罪費を払うに値しないといった内容が書かれていました。

 ですが、若い頃はほぼ毎日メールを交わし、多いときは週に一度、少なくても1~3カ月に1度は会っていました。当時の手帳にも記録が残っています。復縁したあとも2018年4月~年末にかけて月に1度は会い、メールは少なくとも1~3日に1度のペースで交わしています。

 でも、櫻井さんは私との関係を弁護士にこの程度だと伝えたということなんですよね。私の生きてきた人生で、櫻井さん側の弁護士とのやり取りが一番苦痛でした。私と彼の事実をねじ曲げられ、存在を否定されたようでした」

 そしてB子さんは思い詰めたような面持ちでこうつぶやいた。

「最初はひっそりと示談をして、誰にも知られない形でこの件を終わらせようと思っていました。しかし櫻井さん側とのやりとりのなかでもう疲れてしまった。《櫻井さんのことを守ろうなどという心はもう微塵も持ち合わせていない》と伝えたように、最終的には法廷など公の場へ出てでも司法の判断を仰がなければいかないのかもしれないとも考えています」

 12月23日、櫻井の所属事務所に事実関係を確認したところ、以下の回答があった。