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《突然の社長退任》フルーツ大福「弁才天」フランチャイズ店オーナーたちが窮状告発「加盟金と研修費用で1000万円、店舗の施工費1500万円……初期投資が回収できない」

《突然の社長退任》フルーツ大福「弁才天」フランチャイズ店オーナーたちが窮状告発「加盟金と研修費用で1000万円、店舗の施工費1500万円……初期投資が回収できない」

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  3月31日付で創業者の大野淳平氏(35)が社長を退任した、フルーツ大福の店を全国にチェーン展開する「覚王山フルーツ大福 弁才天」。全国で弁才天の店舗を運営する多数のFC(フランチャイズ)オーナーが、高額な初期投資を回収できず、次々と閉店に追い込まれていることが「週刊文春」の取材で分かった。

「弁財天」HPより

 小誌は3月31日配信の「スクープ速報」で、大野氏が同日付で社長を退任すること、2022年5月時点では80近くあった店舗数が現在54まで激減していることを報じた。大野氏は配信当日、自身のInstagramを更新。〈社長も退任して、持っていた残りの株も売却するのだから感慨もひとしおだ〉と綴っていた。

 弁才天は2019年10月に創業。フルーツをふんだんに使った大福が看板商品だ。果物の時価によっても変動があるが、例えば無花果の大福は1個1000円。かなりの高価格帯にもかかわらず、インスタ映えする「萌え断」が若者の間で話題となって大ヒット。創業わずか3年で年商30億円、全国に80店舗近くを展開するなど瞬く間に成長を遂げた。

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「業界の風雲児」とも呼ばれた大野氏はメディアに多数出演。「和菓子作りの経験は一切ない素人だが、“ぽさ”の演出が抜群に上手い」(経済系ウェブメディア記者)という経営手法に加え、明るく染めた髪にロン毛、髭という風貌でも注目を集めていた。

大野氏(本人のInstagramより)

 2021年末には、「国内の投資ファンドへ自社株式の半数を数十億で売却した」と公表。ところが、大野氏は創業から4年足らずというタイミングで突如、社長を退任したのだった。

 実はその裏で、全国の弁才天の店舗で“異変”が起きていた。

「最大80近くあった店舗のうち、直営店は10店舗ほど。弁才天の大半はFC店なんです」(現役FCオーナーの1人)