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覚えておきたい『タラちゃん成長期』

Q1.これまでに国民栄誉賞を受賞した「長谷川さん」は2人。1人は俳優の長谷川一夫さんですが、もう1人は誰でしょう?

A1.長谷川町子
 長谷川町子さんは、国民的アニメ『サザエさん』の原作で知られる漫画家さん。「『サザエさん』を通じて第二次世界大戦後の日本社会に潤いと安らぎを与えた」として、現在のところ漫画家では唯一の受賞者となっています。また余談ではありますが、アニメ『サザエさん』には「タラちゃんが夢の中で、オリンピックに出て筋肉がムキムキになる」というストーリーの『タラちゃん成長期』という伝説の回があることも、合わせて覚えておきましょう。

長谷川町子 ©文藝春秋



Q2.今年、井山裕太さんは28歳という若さで国民栄誉賞を受賞しましたが、これより若い27歳と、歴代個人最年少で受賞した人物は誰でしょう?

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A2.山下泰裕
 山下泰裕さんは、公式戦203連勝などの輝かしい戦歴で知られる柔道家。

 1984年のロサンゼルス五輪で金メダルを獲得した後に国民栄誉賞を受賞し、翌年の全日本選手権での優勝をもって現役を引退しました。ロサンゼルス五輪では肉離れを起こしながら全試合一本勝ちを収め、まさに国民に希望と勇気を与えました。

 ちなみに、私の父・靖弘は、子供の頃の私に対して、自分が山下選手と同じ名前であることをよく自慢していました。山下選手がそれほど凄い選手であったと感じるとともに、読みだけかぶっているというごく薄い共通点のみの一点突破で息子に自慢をしてきた親父が、一周回って凄い人間であるように感じるエピソードです。

プーチンと山下泰裕 ©共同通信社

Q3.その選手が複数回国民栄誉賞を受賞しているスポーツといえば、野球、相撲と何でしょう?

A3.レスリング
 吉田沙保里さん、伊調馨さんの2人が受賞しています。吉田さんは世界大会13連覇、伊調さんは五輪史上初となる女子個人種目4連覇という偉業を成し遂げ、「女子レスリング大国・日本」を世界に深く印象付けました(CMで見せる「ALSOK体操」も印象深かったですね)。

「ALSOK体操」でもおなじみ ©文藝春秋

 相撲の世界からは、千代の富士関(受賞名・秋元貢さん)、大鵬関(受賞名・納谷幸喜さん)が受賞しています。両名の人気は凄まじく、特に大鵬関は当時の子供の好きなものとして「巨人・大鵬・卵焼き」という言葉が生まれたほどでした(また巨人!)。脚本家の三谷幸喜さんの「幸喜」というお名前も「大鵬幸喜関」からとったとされています。

 この三谷さん、実はさきほどの『タラちゃん成長期』のシナリオを書いた人なんですが、 当時の担当プロデューサーからその内容が「作品に対する冒涜だ!」と激怒され、作家を降板させられたというエピソードも覚えておきたいところです。

三谷幸喜はサザエさんで『タラちゃん成長期』のほか『ワカメの大変身』という回も手がけた ©文藝春秋

 歌手の美空ひばりさんに、黒澤明監督、なでしこジャパンなど、どこを切っても国民的スターばかりの「国民栄誉賞」。羽生さん、井山さんに続く受賞者は、我々に一体どんな希望を与えてくれるのでしょうか。期待したいですね!