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「手を上下に振るジェスチャーの意味がわからなかった」

「最初、田中被告は何も言わずに、しきりに手を上下に振るだけでした。でも、私はそのジェスチャーの意味がわからず、何度も『どういう意味ですか?』と聞き返しました。さらに、田中被告は私の腕を掴んで、暗い場所へ連れて行こうとしました。

 そして、田中被告が口にしていた卑猥な言葉の意味が全くわからないまま、怖くて身をすくめていると、田中被告はいきなりリュックのなかを漁り始めました。田中被告は財布を出そうとしたと言っていますが、そのときの私は状況が理解できないので、ナイフとかが出てきたらどうしようと命の危険を感じたほどです。結局、田中被告がリュックを地面に置いてモタモタしているあいだに、『今しかない』と思い、全力で走って逃げました。すぐに近くのスーパーで母に電話をすると、母が飛んできてくれて、一緒に交番に相談に行きました。その日は、念のため、手首付近の遺留物検査をしてもらい、被害届を出しています。そのときはもう日付が変わっていました」(同前)

事件現場となった駐輪場

“パパ活”“ハニートラップ”…被害者なのにネット上での誹謗中傷

 その後、Aさんにわいせつな行為をしたとして、警視庁が田中被告を強制わいせつ未遂容疑で逮捕したと発表したのは10月25日のことだ。

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「まさか捕まるとは思っていなかったのでびっくりしました。ただ、そこから地獄のような日々が始まってしまいました。ツイッターで事件のことがトレンド入りし、私は“パパ活”“ハニートラップ”“美人局”とか『自分が有名人にセクハラしてもらえるほど価値があると本気で思っているのか』といった数えきれないほどの誹謗中傷を浴びることになりました。まるで被害者が悪いかのような言葉の数々に傷つき、15歳の私には想像以上に心に重くのしかかりました」(Aさん)

 ネット上の性的二次被害に苦しんだAさん。学校にも行けない日々が続いたという。