UCC上島珈琲は、2001年5月に「Cafe LA SHOWER」(カフェ・ラ・シャワー、195ml瓶)を発売。コーヒー×コーラの新感覚の炭酸飲料として若年層を狙った。なお、2014年にも炭酸コーヒーの「UCC FULL THROTTLE」(フルスロットル、190ml缶)を発売している。
ネスレ日本も、2006年5月に「ネスカフェ スパークリング・カフェ」(280ml缶、300mlボトル缶)を発売。深煎りしたコーヒーの味わいと微炭酸の爽快感が特徴で、コーヒーと炭酸飲料の両方飲む人をターゲットに展開した。
中でも、サントリー食品インターナショナルは、炭酸コーヒーのジャンルに何度もチャレンジしている。まず、2012年7月にコーヒー入り炭酸飲料の「エスプレッソーダ」(330mlペットボトル)を発売。エスプレッソの深みのある味わいと炭酸の刺激の両立を図り、働く大人をメインターゲットにした。炭酸無菌充填ラインを導入し、従来と異なるガス圧やpHを試した商品だ。
2013年6月には、「ボス ブラックスパークリング」(330mlペットボトル)を発売。無糖の炭酸ブラックコーヒーという画期的な商品だった。2018年8月には、「ボス トニック」(190ml缶)を発売。ほろ苦いトニックの爽やかな刺激とコーヒー由来のカフェインで、シャキッと気分転換ができることを訴求した商品だった。
また、アサヒ飲料は、2019年6月にコーヒー入り炭酸飲料「『ワンダ』CONIC(コニック)」(500mlペットボトル)を発売。シトラス風味の炭酸水にコーヒー豆から抽出したエキスをブレンドした味わいが特徴だった。
どうして海外では定着している「炭酸コーヒー」がなかなか日本で定着してこなかったのか?
もともと、海外ではトニックウォーターに濃厚なエスプレッソを加えて作る「エスプレッソトニック」など、コーヒーと炭酸を合わせた飲料が夏場の飲み物として定着しているという。
ただ、日本ではなかなか浸透しなかった。容器に入ったコーヒーとしては、長らく甘さのある缶コーヒーを飲む習慣があったため、炭酸を加えることで酸味が強くなる炭酸コーヒーを受け入れにくかったと思われる。
一方で、日本でもコーヒー×炭酸は外食市場ですでに受け入れられている。外食ではUCCグループが運営するUCC上島珈琲店で毎年「冷珈(れいこー)ソーダ」が夏の定番メニューとなっているほか、他のカフェチェーンでも夏の限定メニューとして展開している。