文春オンライン
何度挑んでも定着しなかった「炭酸コーヒー」…それでも新発売を後押しした「この10年で劇的に低下した“予想外の数値”」とは?

何度挑んでも定着しなかった「炭酸コーヒー」…それでも新発売を後押しした「この10年で劇的に低下した“予想外の数値”」とは?

2023/05/16
note

 また、家庭向けでは、ネスレ日本がアレンジレシピを提案しており、「ネスカフェ ゴールドブレンド ボトルコーヒー 無糖」と炭酸水に加え、はちみつやグラニュー糖、レモンを混ぜた「ハニー・レモンカフェ」などのメニューを自社サイトで紹介している。

 伊藤園は、今回の「TULLY’S COFFEE BLACK&SODA GASSATA」を炭酸飲料売り場ではなく、液体コーヒー売り場に陳列し、市場を盛り上げたいとしている。黒ビールのように見立てて、いろいろな注ぎ方も紹介するなど、楽しさを提供する考えだ。

印象的な「黒ビールのような泡」

カフェイン増量コーヒーにお茶とブレンド…2023年春、容器入りコーヒーの反転攻勢へ

 容器入りのコーヒー市場は、コロナ禍となり人の流れが減ったこともあり2020年から缶コーヒーを中心に市場が大幅に縮小した。大手各社は2023年に入ってから次々と新商品を投入し、改めてユーザーや飲用シーン拡大に取り組んでいる。

ADVERTISEMENT

 サントリー食品は3月に「ボスカフェイン」を発売した。日常的に飲みやすいコーヒーの味わいながら、カフェインがしっかり摂取できるというニーズがあることを捉えて開発された商品だ。

 日本コカ・コーラは、4月に「綾鷹カフェ」から、日本茶とコーヒーの特徴を活かした新たな提案として「綾鷹カフェ 急須珈琲」シリーズを発売。また、「ジョージア」は大刷新し、パッケージに統一感を持たせるとともに、コミュニケーションは若い層や女性とブランド価値を一緒に作ることを目指し、SNSを活用した体験型の活動を強化している。

 多くの会社がコーヒーを活用した市場展開にチャレンジしているのは、若年層を含むユーザーの増加と、新たな価値の提案によるコーヒー市場拡大への期待の表れだろう。

 飲料各社は、生活者の“失敗したくない”というニーズを受けて、コロナ禍で定番商品の強化に取り組んできたが、人々が活動的になる2023年春のタイミングからワクワクするような新商品の提案を強化している。

 無糖の炭酸水が支持され、酔わずに楽しめる飲み物の人気が高まり、これまでにない新しい価値を持つ商品を求める人が増えてきたいま、炭酸コーヒーが売れる時代になるかもしれない。

何度挑んでも定着しなかった「炭酸コーヒー」…それでも新発売を後押しした「この10年で劇的に低下した“予想外の数値”」とは?

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー