歌舞伎界きっての大スターをめぐる事件は、その全容が分からぬまま3日を迎えた。
東京・目黒区内の自宅で歌舞伎役者の市川猿之助さん(47)が18日、両親と共に倒れているのが見つかり、その後、父親の市川段四郎(本名・喜熨斗弘之)さん(76)と母親の延子さん(75)の死亡が確認された。
猿之助さんは一命をとりとめたものの、自宅にある半地下スペースのクローゼットのドアで首を吊っていたところを発見された。猿之助さん自筆の“遺書”なども見つかっており、一家3人が自宅で倒れていたという謎は深まるばかり。
市川猿翁一座の「副将」として活躍した
謎が謎を呼ぶなか、段四郎さんの生前に親交のあった歌舞伎関係者らは、その死を悼んでいる。段四郎さんは、兄の市川猿翁さんが率いた一座では、「副将格」で活躍してきた歌舞伎役者。現代風の歌舞伎「スーパー歌舞伎」から数々の古典の復活物まで幅広く歌舞伎界に貢献してきた人物だ。
早稲田大学演劇博物館館長の児玉竜一さんは、役者としての段四郎さんを次のように振り返る。