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「無罪」「自殺ほう助」「自殺教唆」「殺人」の分かれ目とは
「まず1つ目は、猿之助さんが『無罪』のパターンです。猿之助さんの予想外に両親が睡眠薬を飲んで自殺。そして、それを発見した猿之助さんが悲嘆にくれて後追い自殺を試みたとします。この場合は、両親も猿之助さんも、お互いがお互いの意思で自殺しようとしているため、猿之助さんが罪に問われることはありません」
次に想定されるのが、「自殺ほう助」と「自殺教唆」のケースだ。
「週刊誌の記事を見て、猿之助さんと両親が一家心中を図ったパターンです。例えば全員で死ぬことを決断して、『睡眠薬は自分が用意する』と猿之助さんが薬を両親に渡し、両親が自殺した場合、これは自殺ほう助に該当します。また、『自殺するしかない』と猿之助さんが両親にもちかけていた場合には、自殺教唆に該当します。これらはいずれも、猿之助さんが罪に問われるパターンになります。また逆に両親の方から、『生き恥を晒すな』と家族に自殺を持ちかけた場合には、両親に容疑がかかる可能性もあります」
では、猿之助さんが殺人罪に問われることはあるのだろうか。
「可能性は低いと思いますが、酒などに薬を混ぜて両親を殺害した後に、猿之助さんが自殺を図ったケースです。ただ、仮に薬が無臭なものだとしても、大量の睡眠薬を無理矢理飲ませることは難しいと思います」
両親が薬を飲んだ経緯によって、事件の展開は様々だ。一方、今回の事件について、小川氏は「違和感ばかりが残る」と語る。