文春オンライン

幼子おんぶして街頭演説は“選挙違反”の恐れ…女性立候補のハードル「曖昧なルール」子育てママの声は届くか 【愛知発】

source : 提携メディア

genre : ライフ, 政治, ライフスタイル, 働き方

note
 

田村さんも曖昧なルールに迷い、一つ一つ都の選管に確認はしていたが…。

田村真菜さん:
(選挙期間中に)子供を保育園に迎えに行く送迎で一緒に歩いているのも「微妙です」みたいなことを言われて、「それって私がやるしかないけど」みたいな

 

気を付けて活動していたが、幼い子供がいつも言うことを聞いてくれるわけではない。

ADVERTISEMENT

田村真菜さん:
選挙期間中に(子供が)疲れて降りたくない、みたいになっちゃって、おんぶで演説している写真を朝日新聞さんが記事にして。「(選挙)違反だ」という声を多くいただいて

 

都の選管は「選挙運動ではなく、“同行”なので問題ない」という見解を示したが、ぐずる子供を仕方なくおんぶして街頭に立った行動が多くの人に“選挙違反”と誤解されてしまった。

田村真菜さん:
わかりにくかったし、生活できなくない?みたいな感じです

投票を呼びかけたら「子供を抱っこしながら演説」はNG 総務省が見解

 

この問題は、国会でも取り上げられた。

 

伊藤孝恵参議院議員(2022年11月の参議院特別委員会):
子連れ選挙なんてとか、お母さんが赤ちゃんに授乳をしながら選挙をすることが、全く想定されていなかった。そういう中で、前例が積み重なっていっていない。なので、照らし合わせて判断することが難しいという声が聞かれています

2022年11月、総務大臣に“子連れ選挙”について質問をした伊藤孝恵参院議員(47)も、子育てをしながら選挙を戦った1人だ。

 

自身の経験を踏まえ、13の具体例を挙げて総務大臣に見解を求めた。

この時の答弁に基づき、総務省は2023年3月“子連れ選挙”の15の具体的な事例が選挙違反にあたるかどうかまとめた見解を、各都道府県の選挙管理委員会に通達した。

そこでは、「選挙カーでの授乳」や「当選後に子供とバンザイ」をすることなどは“差し支えない”とされたが、「子供を抱っこしながらの街頭演説」や「子供が候補者やスタッフと歩くこと」などは、投票を働きかけた場合、“公職選挙法に抵触する恐れがある”とされている。

関連記事