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「阪急マルーン」を思い出す、イメージカラー戦略

――でも、なぜあの色に?

「我々は『YOKOHAMA NAVYBLUE』と名付けています。いつになっても古臭くならない普遍的なカラーという前提で横浜の海の色をイメージして考えました。廃車する車両を使って実際に明るいものと暗いものの2パターンを塗ってみて、その上でその中間を取って現在の色に決めたものです。このYOKOHAMA NAVYBLUEが今後100年の相鉄をイメージする色になってくれれば、という思いも込めているんですよ」

 

――つまり、今後新たにデビューする車両はいずれもこの「YOKOHAMA NAVYBLUE」を纏うということですね。となると、イメージしてしまうのは阪急電車の「阪急マルーン」です。

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「まさにその通り。阪急さんはあの車体の色のイメージがスゴい。それは長年あの色に拘り続けて作り上げたものですから、我々もすぐに同じようにはいかないでしょう。でも、100年というスパンで考えたとき、ウチのイメージを作っていくことができればいいな、と」

女子高生から「イケメン電車」と呼ばれている

――実際にYOKOHAMA NAVY BLUEの9000系が2016年から走り始め、ついに20000系もデビューしました。お客さんの反応はいかがですか?

「上々です。ただ塗るのではなくてマイカ塗装をしていますので、光のあたり方などでも見え方が変わってくる。女子高校生の間では、『イケメン電車』なんて呼ばれたりしているみたいですよ。まだまだ走っている本数は少ないですから、乗れたら嬉しい、みたいなところでしょうか」

走るイケメン

――当然、直通運転でもこの色の車両が入るわけですね。ということは、東京の町の中にも相鉄さんのYOKOHAMA NAVYBLUEの電車が走る、と。

「2019年度の下期にはまずJR線への直通運転を予定しています。そのために新しい車両も作る予定ですが、もちろんYOKOHAMA NAVYBLUE。渋谷や新宿のビルの間を、あの色の電車が走るわけです。さらに、2022年度には東急東横線・目黒線との直通運転も始まる予定です。先日デビューした20000系はそのための車両ですから、沿線住民以外の方にも『あの紺色の電車、なんだ?』と興味を持ってもらって、相鉄線のことを知ってもらうきっかけになるのでは、と期待しているんです」