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 専門メーカーらしくイスカのラインナップは豊富で、キャンプ地の気温や環境に合わせて最適な寝袋が選べる。

 私がチョイスしたのはダウンを使用しつつ、約3万円ほどに価格を抑えた高コスパのダウンプラスシリーズのポカラ。このヒマラヤ山脈を望む湖の街の名を冠した寝袋は3シーズン用だが非常に暖かく肌触りが良い。フワッと包まれた優しさの中で、どんな場所でもぐっすり眠れるのだ。

4000メートルに長期滞在で高山病になり、このベッドで動けなくなっていた時、ダウンプラスポカラの暖かさは本当にありがたかった

2、ナイフ:愛用しているのは王道のスイスアーミー

 旅といえばナイフ。一切れのパンとナイフ、そしてランプをカバンに詰めて出かけるのはラピュタ世代の定番なのだ。価格はピンキリで、高価なコレクターズアイテムも多いが、旅で実用するなら5000円もだせば十分な性能のものが手に入る。

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 しかし狩猟旅にでも出かけるなら別だが、通常の旅で大きなナイフが必要になる場面は、断言するが全く無い。どっちかと言えば、ハサミと包丁の方が欲しいことが多い。それでもやはり、カバンの中にはナイフが欲しいもの。

 そんな私が愛用しているのは定番中の定番スイスのアーミーナイフ。一番出番が多いのが銀色のハンドルがカッコ良いウェンガーのソルジャー。ナイフブレードの他に栓抜きと缶切りが付いていて非常に便利。

旅で使用するナイフは、ナイフブレードだけでなく缶切りやコルク抜きが思った以上にポイントになってくる

 今でこそ簡単に開けられる缶詰が海外でも増えたが、少し前までは缶切りがないと全く歯が立たない缶ばかりだった。今でも奥地の方へ行けばまだまだ、そういった缶詰が売られていたりするので、缶切りはナイフ以上に必需品だ。逆に栓抜きの方は、机の角を使ったりすればなんとかなる。

 もう一本の赤いナイフはウェンガーのライバル会社ビクトリノックスのピクニッカーNL。こちらはモンゴルの遊牧民のお宅へ居候取材する時に購入し持って行った。でかい塊肉をガシガシと削いで食べたいとの思いからだが、なかなか正解だった。

取材時、ホストファミリーの家でナイフを使う筆者

 あと意外と役に立つのがコルク栓抜き。瓶のワインを飲む時はだいたい、そこにコルク抜きがあるものだが油断は禁物。一度、ハンガリーの牧童小屋で誰もコルク抜きを持っておらず、四苦八苦したことがある。

 最後は牧童の兄ちゃんが、ナイフの柄で瓶の中に無理やり押し込んでいた。その時に私が持っていたナイフは銀色のソルジャー。こいつには残念ながらコルク抜きはついていない。このときに赤のピクニッカーNLを持っていたらヒーローだったろう。

 ちなみに長年ライバル関係だった両社だが、2005年にビクトリノックスがウェンガーを吸収合併したそうだ。なんとも寂しい話である。