6月8日の参議院法務委員会は、入管難民法の改正案の採決をめぐって大荒れとなった。
杉久武法務委員長(公明党):
賛成多数と認めます
「やめて!やめて!やめて!」
「命を奪うなー」
「そうだー」
「人権守れー!」
「守れー!」
怒号が飛び交う中、後ろから委員長に飛びかかろうとする山本太郎議員の姿。
「危ないよ」
一体なぜ、このように混乱した状態に陥ってしまったのだろうか。
「人の命を奪う法案ですよ!」可決直後に大混乱
杉久武法務委員長(公明党):
これより討論に入ります
午前10時過ぎに始まった参議院法務委員会。既に多くの与野党の議員が待機していた。
審議されている入管難民法の改正案は、難民申請を繰り返し、送還を逃れるケースが指摘されていることを受け、3回目以降の難民申請は、「相当の理由」がない限り送還停止の対象外とするというもの。
改正案には、立憲民主党、共産党、れいわ新撰組などが反対している。
立憲民主党・石川大我議員:
この法案が成立すれば、母国に強制送還されると恐怖に震えている人がいることを、ぜひ皆さん知ってください
反対討論が終わった午前10時半、与党議員が委員長の周りを囲むと採決へ。
杉久武法務委員長(公明党):
賛成の方の挙手を願います。多数と認めます
自民・公明の与党に加え、日本維新の会、国民民主党も賛成し、賛成多数で可決された。
「人の命を奪う法案ですよ!これは」
「やめてください!やめてください!」
「命がかかっているんですよ!」
抗議をする立憲民主党の議員。
れいわ新撰組の山本太郎代表は委員長に後ろから飛びかかろうとするが、与党議員にブロックされ、手が届かない。
委員会終了後、山本代表は手が当たったとする議員に陳謝した。
れいわ新撰組・山本太郎代表:
手が当たりましたか?すみません
山本代表との接触で2人がケガをしたという話が出ていることから、与野党が懲罰動議の提出を検討していることがわかった。
一方、立憲民主党の中には、悔し涙を流す議員もいた。
立憲民主党・鎌田さゆり議員:
ウソしか言われてないのに、こんなの通したらダメだから
8日の委員会には入管施設で亡くなったスリランカ人のウィシュマさんの家族も傍聴。ウィシュマさんの家族は「人の命に関わるような法案を成立させようというのは残念です」などと話した。
与党は9日の参院本会議で改正案を可決・成立させる方針。